職場で「なぜか会話が盛り上がる人」が意識している会話術
有名人や話題の人をたとえ話にしてみよう
たとえ話を会話のベースにすることは自分の点数稼ぎになるだけではなく、具体的な成果を出すこともできます。「**の例の時みたいに、状況が似てると思うんですよ。◯◯と**があって。あ、でも◯◯はないから、そこだけ少し心配材料ですけど」といった具合に、たとえ話を通じて、その奥にある本質を考え、議論や対話が深めることができます。
良いネタがなければ、誰もが知ってるような漫画のキャラクターや芸能人やスポーツ選手にたとえてみるのもアリです。ちょっと微妙な空気になっても「あ、違うか」と話を閉じて、なぜそのキャラクターにたとえたかを説明すれば大丈夫。そのときに、ドンピシャよりも、ちょっとピントを外すことで、ツッコまれるタイミングを生みだすのもアリです。
ただし、芸能人や有名人のたとえは、それぞれの認識がズレていることが多いので、あまりウケません。唯一、その時期にとても話題になった旬のネタについては使えるでしょう。少し前になりますが、スーパーボランティアの尾畠春夫さんや大坂なおみ選手、大谷翔平選手などなるべくポジティブな話題で取り上げられた人が有効です。
枕詞は付けずに言い切ったほうがよい
ネガティブな話題に取り上げられた人の場合は「~くらいひどいなぁ」「~だって逃げ出すわ」というくらいの「ネガティブはネガティブだけど、もっと悪いことや人は世の中たくさんいて、それよりはマシ」というような局面で使いましょう。
たとえ話の中身は少々はずしたとしても、「面白ければいいや」くらいに構えましょう。一瞬ウケなくても、なぜそれを思いついたかを一所懸命に解説すれば、だいたいはどこかで笑いが取れます。
ただし「可能性として~」や「受け止め方はさまざまですが~」など賢い人が使いがちな枕詞は付けずに、言い切ってしまって構いません。特に若手のうちはツッコまれても、大事なことは、たとえ話の精度よりも、良い場を作ることと割り切ってしまえば、上司も助け舟を出してくれます。あまりにもウケなければ、「あ、すみません」と一言つけて、何事もなかったかのような顔をしてしまいましょう。
会話のコツよりも準備がモノを言う
なかには「そんな会話のセンスないよ」と苦手意識を持っている人もいるかもしれませんが、たとえ話に限って言えば、センスよりも大事なのは練習です。広く知られた旬のネタであったり、内輪ウケでモノになりそうなシーンを見かけたときには「いつかネタとして使ってやろう」としてあらかじめ考えておいたりするとスムーズです。
人の生死や病気や尊厳を踏みにじることや、当人が知られたら本当に嫌な気分になること以外は、耳に入る全ての話題を話のネタとして、使えるかどうかを常時考えておくことです。
ネガティブやシニカルなネタは、思いつきやすいですが、そこからポジティブな空気に変えるのはかなり上級編だと思って使わないようにしましょう。くれぐれも取引先やお客様など外部の人にやる前に、身内でさんざん練習すべきです。少し披露してみて、相手が本気で呆れた顔をしていたら、その人の前では2度とやらないことです。同時に、その場で話題をどう転換していくかを、アヒルが水面下で漕ぐように必死に考えなければなりません。