“ピエール瀧騒動”でリスク発覚も…急成長する「音楽ストリーミング配信」市場を分析
サブスクに親和性の高い20代ユーザーの傾向
働く20代の利用が多い音楽アプリは、トップ5のうち4アプリがサブスクストリーミング。全年代2位の「うたパス」や5位「Music Store powered by レコチョク」、7位「レコチョク」といったダウンロード型アプリも使われていますが、全年代よりは控えめ。20代はサブスクモデルにより親和性の高いカテゴリーといえそうです。
Samsung android用にSpotifyコンテンツを使いやすく提供する「Samsung Music」も10位にランクインしました。
今回はフォーカスしませんが、KDDIやNTTドコモといった通信キャリアのサービス「うたパス」や「Music Store powered by レコチョク」「dヒッツ」は通信料金と一緒に決済できる点が魅力で、ランキングでも存在感を示しています。
KDDIは独自サービスのほか2月に「Apple Music」と提携し、auユーザーは半年間無料で利用できます。同社は動画配信のNetflixとも提携していて、次世代超高速通信規格5Gを見据えたキャリアのコンテンツバンドルサービス拡充による囲い込みも熾烈になりそうです。
ほぼ海外勢に占められているチャネル
国内音楽市場の復活はワクワクするニュースながら、音楽ストリーミングにおけるサブスクモデルの雄は米国(Amazon Music、YouTube Music、Apple Music)、韓国(LINE MUSIC)、スウェーデン(Spotify)と、気づけばいずれも外資系。
レンタルレコードからせっせとカセットテープにダビングしウォークマンですり減らしていたほんの30数年前に比べ、スマホはずいぶん、そしてあっという間に、音楽の楽しみ方を変え、アーティストとリスナーとの間にあるメディアや働く人びとの役割、産業構造を変革しました。
音楽ストリーミングに限った話ではありませんが、メイド・イン・ジャパン作品すら届けてくれるチャネルがほぼ海外勢に占められるなかでの利便性には、ちょっとした敗北感も覚えずにはいられません。
いつの間にか世界に囲い込まれていく私たちが、逆にどう新たな価値を世界に届けられるのだろうか……と、考えさせられる今日このごろでもあります。
<TEXT/清水響子>