【精神科医が解説】そもそも五月病とは何なのか?うつ病とどう違うのか?五月病になりやすい人は?
ゴールデンウィークが明けてから、無気力状態が続いており、仕事や趣味への意欲がわかない、人間関係の悩みが深くなったという人は「五月病」の恐れがある。胃痛や頭痛、不眠などの身体症状にも注意が必要だ。そもそも五月病とは何なのか、うつ病とはどう違うのか、五月病になりやすい人は−−?
精神科の市川メンタルクリニック院長として精神障害、睡眠障害などの治療にあたる精神科医・芦澤裕子氏に話を聞いた。
五月病は「抑うつ症状を呈する状態」
そもそも「五月病」は病名ではないという。
「五月病は、医学的には、『適応障害』『うつ病』と診断されることが多い、5月頃に起こりがちな抑うつ症状を呈する状態を指します。日本では4月から環境が変わることが多いため、そのストレスから、5月頃にうつ病として表出されることが多く、五月病と注目されているのではないでしょうか。具体的には、精神的または身体的なストレスや疲労によって心身に過大な負荷がかかり、脳がうまく働かず、ぼーっとしてしまったり、精神的に不安定になったり、無気力になってしまうなどの状態のこと。
無気力になる要因としては、何らかの理由で自律神経、脳神経が上手に機能できていないことなどが考えられます。五月病のうつ病であっても、臨床上ではうつ病として治療にあたります」