大学発ベンチャー企業が「コオロギせんべい」を無印良品と協業に至るまで
かつてはゲテモノとして扱われていた昆虫食だが、いまは未来の新食材として活用できるよう、真剣な取り組みがおこなわれている。
そういったベンチャー企業のなかでも、コオロギを循環型の食材「サーキュラーフード」と位置づけ、フードロスや環境負荷を抑えるために商品を販売しているのが、株式会社グリラス。今回、株式会社グリラスの渡邉崇人代表取締役社長に話を聞いた。
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また、実際に購入できる商品やコオロギラーメンが楽しめる飲食店についても紹介する。
コオロギが人類を救う「新食材」?
近い未来において、急激な人口増加による動物性たんぱく質の不足や食糧危機問題が地球全体の課題となっている。コオロギは、こういった問題を解決に導く可能性がある新食材だと聞いたが、どういった意味か?
「我々は、今後きたるべく動物性たんぱく質の不足や食糧危機問題に対応すべく、長年の研究成果を活かして食用コオロギを飼育しています。コオロギは雑食のため農産物の残渣(ざんさ)といったフードロスを活用しやすく、フンも農作物を育てる肥料として利用できます。グリラスでは、このように環境負荷が低く、地球環境にやさしい循環型の新食材に親しみを込めて“サーキュラーフード”と名付けています」
説明だけを聞けば、コオロギは新食材として優秀な印象を受けるが、どれぐらい環境負荷をやわらげるのか具体的に数字で知りたい。
無印良品と「コオロギせんべい」で協業
「たとえば、コオロギの体重を1キロ増やすためのエサは2キロ弱ですが、牛の場合は10キロ、ブタなら5キロ、ニワトリなら2.5キロものエサが必要です。また、牛・ブタ・鶏の場合は、食べられる部分が40%ほどですが、コオロギはすべての部分を食べることができます」
確かに、いまメインとして食べている牛・ブタ・鶏に比べると、驚くほど環境負荷が低い。しかし、昆虫を食べることに抵抗感を持つ人も多いだろう。そこでグリラスは、コオロギ食にチャレンジしてもらいやすいよう、まずは食べやすいお菓子の商品開発を手がけている。
最初の商品としては、昨年2020年5月20日にウェブで先行販売されて即完売となった無印良品の商品「コオロギせんべい」。開発するに至ったキッカケは何だったのか?