自然とケガを防ぐ走り方に。アシックスが開発「スマートシューズ」とは
新型コロナウイルスの流行によりテレワークが一般化しつつある中、健康維持のために体を習慣的に動かす人が増えている。メーカー各社からさまざまなランニングシューズが発売されているが、大手スポーツメーカーのアシックスは先日、最先端テクノロジーを搭載したスマートシューズを発表した。
「ランニング × デジタルテクノロジー」を掲げるアシックスの今後の事業展開について、同社の執行役員でありスポーツ工学研究所長を務める原野健一氏に話を聞いた。
研究所での働き方はTPOを意識
スポーツ工学研究所では、アシックスから販売される全ての商品の価値を高めるために、日々研究を行っている機関だ。
「スポーツアスリートだけでなく一般消費者含め、あらゆる人の動きを科学的に分析しています。ここで得たデータや知見を商品開発に活かし、ユーザーニーズに応えられるようにしています」(原野氏、以下同)
研究開発部門は、自由な発想が生まれるように執務エリアは1フロアに集約。フリーアドレスを導入して、所員同士が自由に意見交換できるようにしている。コロナ禍でも、リモートでのディスカッションが活発に行われている。
また、研究所にはリモートだけでは対応できない業務があるため、各研究者がリモートとフィジカル業務のバランスを考えて、出社人数を効率的に調整するなど、ニューノーマルな働き方を実現している。
アシックスのスニーカー通勤の現状
「働き方や服装もTPOに合わせた形をとっています」と原野氏。
「動作分析の実験の際には動きやすいジャージを着用していますし、ケミカルの実験を行う部門は白衣を着用したりと、それぞれの実験ごとに服装が異なっています」
最近では大手企業を中心にスニーカー通勤の推奨が進んでいる中、アシックススポーツ工学研究所のような研究開発職では事情が少し異なるようだ。
「通勤時にはビジネスカジュアルな服装にスニーカーを合わせることもありますが、外部との打ち合わせや来客の際は革靴(ウォーキングシューズ)を、材料開発を行う際は安全靴に履き替えたりするなどTPOに合わせています。また、基本的には自社製品を着用していますが、研究の観点から他社製品を着用することもあります」