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百均ショップ「セリア」が急成長。平均年収も意外と高め

ビジネス

 東京都内をはじめ、日に日に新型コロナウイルス肺炎の感染者数が増えていているなかで、外出自粛期間中は食料品を扱うスーパーやドラッグストアの業績が好調であることがわかりました。

ドラッグストア セリア

※イメージです(以下同じ)

 その詳細については本連載「ブラック企業アラート」でも触れた通りですが、それでは、同様に食料品なども扱う「100円ショップ」はどのような業績だったのでしょうか? 今回は100円ショップ大手の「セリア」を題材にして、実態を見ていきます。

業績推移は前年同月比プラスで推移

セリア

図:売上高・営業利益推移(財務ハイライトより引用)

 まず、業績推移を確認します。「財務ハイライト」のグラフを使って確認しました。セリアの場合、100円均一業態のみの単一セグメント展開のため、「セグメント別推移」のデータは存在していません。したがって、全体の経営成績=セリア業態の経営成績と見なしてよいことになります

 グラフをみると、3期連続で増収増益となっており、好調でした。さらに、最新の経営成績もすべて黒字となっており、緊急事態宣言発令に伴う外出自粛期間も好調に乗り切っています。

<2021年3月期 第1四半期(2020年4-6月)データ>
売上高:486億4,200万円
営業利益:50億7,800万円
経常利益:51億2,900万円
当期純利益:34億8,600万円

店舗数も順調に拡大している

 続いて、店舗数の推移を見ていきます。店舗数は3期連続で増加しており、店舗拡大が順調であると言えそうです。また、地域別で見ても、各地域に3桁の店舗を展開しており、全国満遍なく展開できていると言って差し支えありません。

図上:店舗数推移・地域別店舗内訳(財務ハイライトより引用)/図下:2020年1~6月の月次推移比較(月次推移より筆者作成)

 あわせて、月次推移も確認していきます。月次推移については見やすいようにグラフに起こしました。月次推移の場合は「100%より多いか、少ないか」で判断します。多い場合は前年同月よりもプラスであり、少ない場合はマイナスと判断できます。

 セリアの場合は2020年1~6月(上半期)は「全社売上・既存店売上・既存店客数」の全てが前年度プラスで推移していました。強いて言うと4月は既存店売上・既存店客数が100%を下回り、95%程度になっていますが、他業態と比べるとダメージは微々たるものです。

 生活必需品を安く買える100円ショップという業態は、不況の時期に強いと言えるでしょう。

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