橋下徹氏に聞く「マルチタスク」のコツ。先送りにする仕事の決め方
ビジネスパーソンとして評価されるポイントのひとつに「マルチタスク」というものがあります。
今回はマルチタスクのコツについて、新刊『異端のすすめ』(SB新書)の著者であり、元大阪府知事・大阪市長である橋下徹氏に解説してもらいます(以下、橋下氏の寄稿)。
「先送りの理由」がなければすぐやる
マルチタスクをこなすには、先送りの理由がなければその場ですぐにやり、その場でできないものや、優先順位として後回しにすべきものを先送りする。この判断を迅速・的確にすることが重要です。
「先送りする理由」が無い限り、とにか「今できることはすぐにやる」というのを徹底すると、複数の仕事を同時に処理することができるようになり、1時間あたりの行動量が増え、結果として周囲からの評価が高くなります。
では「先送りする理由」とは、どういったものでしょうか?
1つは時間をかける必要があるなど「すぐにできない」場合。そしてもうひとつは、たとえ「すぐにできる」ものでも、そのときその場では別のことを優先させたほうが効率的である場合です。
マルチタスクを回す「優先順位の原則」
たとえば、先日のことです。僕は仕事で東京のホテルに数泊しました。そして最終日、あとは取材1件を残すのみというところで、夕方の2時間ほどの空き時間ができました。
朝から予定が詰まっていたので、いつもは朝のうちに行う新聞+ネットチェックが、まだ終わっていませんでした。僕は毎日全国紙5紙+ネットに目を通すので、それなりに時間がかかります。
他にやるべきことがなければ、その2時間で新聞+ネットチェックをすればいい話ですが、一方、健康維持のために「フィットネスに行きたい」という気持ちもありました。しかも、残っている取材は時事問題に関わるものではなく、最新のニュースに目を通さなくても答えられるテーマと事前にわかっていました。
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