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部下への指示が「あれ、やっといて」で許されるコンサル業界の謎

ビジネス

 学生に人気の就職先、コンサルティング業界の意外と知らない事実を教えるこの連載前回の記事では、コンサルティング業界で生き残る人と沈む人の特徴について書きました。

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※画像はイメージです(以下同じ)

 コンサルティング業界には、新卒・中途入社した方にとって、理不尽と映りがちな独特の文化があります。

 入社前に知っておけば面食らうことはないと思いますので、いくつか例を紹介したいと思います。

【第6回】コンサル業界でよくある「理不尽」

 コンサルティング会社では指示が曖昧なことが多いです。これにはいくつか理由があります。

 1つ目に、これまでも書いたとおり、人がよく変わるため仕事を丁寧に教えるインセンティブがないことが挙げられます。

 2つ目に、クライアントの課題を考えることが仕事なので、指示内容に関して「自分から確認して当たり前」という文化があるからです。

 よくある具体例を紹介します。「メールで送ったスライドの作成、やっておいてね」という指示とともに、書きかけのパワーポイントや商品分析資料をもらったという人がいます。

 作業指示としてはこれだけです。メール本文にも指示に関する文章はありません。

具体的な指示がない上司のメールにどうする?

 こんなとき新卒・中途入社の人がよく犯してしまうミスは、「①悶々と一人で考えこみ時間を浪費する」「②自分の理解で資料を仕上げる」のいずれかでしょう。

 1つ目の「悶々と一人で考えこみ時間を浪費する」は、学生時代のアルバイトであれ、前職であれ、できない人、状況がわからない人を指導するのがマネジメントの仕事であるという暗黙のルールに依存しているために起こります。

 2つ目の「自分の理解で資料を仕上げる」は、上司へ資料を提出してはみたものの、「全然イメージと違う」「この資料必要なの?」と言われてしまうことがあります。ヒドい場合は「センスがない」「このスライド、何か気持ち悪い」と、よくわからないご指導までいただいてしまいます。

 なぜこのようなことが起きるのか。それは、上司としては、「議論の前提として把握しておいてほしかった情報が伝わっていなかった(そのくらいわかっているよね、と思っていた)」「その資料自体が本当に必要かどうかも含めてチェックしておいてほしかった」などが理由としてあります。

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