20代社会人のための交渉術。しつこい要求を「はっきり断ってはいけない」
こんにちは、コンサルティング会社から始まり、8回の転職を経て、現在は老舗の会社で経営者をしております、出口知史です。
これまで私は経営者としてさまざまな人間模様を目撃してきました。なかには、意識の高い若手ビジネスマンに人気の堀江貴文さん(ホリエモン)のような、一握りの天才というのも存在しました。
一方で、私も含めた数多くは、能力的にはそんなに違いはない、ごく普通のサラリーマン(あるいは経営者)です。<本連載では私が日々の経験を通じて得た教訓を、多くの“普通の会社員”に向けて伝えていきたいと思います。
端的に話すのが常にベストとも限らない
今回のテーマは「断り方」です。社会人になって仕事も落ち着いてくると、ふと貯金の残高が少し増えていることに気づいてきます。人間の欲とは深いもので、もっと楽して増やしたいなんて考えるものです。
そう思って情報収集に動くと、周りで「これをやったら儲かった知り合いがいる。会ってみる?」「良い情報持ってる人がいる」なんて話があったりします。だいたいはネットワークビジネスの勧誘であったり、生命保険か投資用不動産のセールスであったりします。
少し極端な例でしたが、友人・知人から何かを提案されたり、上司から面倒な案件を頼まれてしまったりして、なかなか断りにくい時もあるでしょう。
「お前の話なんて時間のムダ!」と言えてしまう人もいますが、だいたいにおいて、そうした人はリスペクトされる大人にはなっていないです。
デキた人とはどういうものかを知る
そんな場面でおすすめなのは、毎回でなくてもたまには、あえて「ふにゃふにゃ」断ることです。
営業マンとして優秀か否かを見極める方法としては、沈黙や「ふにゃふにゃ」が続いた時に、態度が変化していくか否かにあります。優秀な人はあまり変わりません。
きっぱり断るほうが、相手の時間を浪費させないという点で思いやりのある対応でもあります。半面、明確な返事をしないで「ふにゃふにゃ」していると、だんだん相手がイライラしてきます。
それでもきちんとした人の場合、こちらの様子を見てうまい具合に、こちらが何に悩んでいるのかを確認しにきます。
その時の言葉の使い方などもさることながら、間の取り方や発生の仕方など、参考になるものが多々あります。こうしたことは文字を読んでいてもなかなか身につかず、体感して初めてわかるものです。