ノマドとは?意味や在宅ワークとの違いも解説【いまさら聞けないビジネス用語】
ビジネスシーンにおいて、適切な言葉遣いは重要なスキルのひとつ。基本的なビジネス用語を理解していることは、コミュニケーションの円滑化に直結します。本記事では、いまさら人に聞けないけれど、知っておきたいビジネス用語をわかりやすく解説。それぞれの用語が持つ背景や使用されるシチュエーションを押さえておくことで、職場での会話やメールに自信を持てるようになります。今回は「ノマド」について紹介します。
「ノマド」とは場所に縛られずに働く人のこと
ノマド(Nomad)は、本来「遊牧民」を指す言葉ですが、近年では「場所に縛られず自由に働く人々」を指す用語としても広く使われています。ノマドがこの意味で使われ始めたのは、インターネットやテクノロジーの発展が著しかった2000年代初頭から中盤にかけてです。
特に2000年代後半になると「デジタルノマド」というライフスタイルが注目されるようになりました。この時期は、Wi-Fi環境の整備やクラウドサービスの発展などにより、物理的なオフィスに依存せずに働くことが技術的に可能になった時期と重なります。また、リモートワークやフリーランスの働き方がより一般的な選択肢となったことが、この言葉の普及を後押ししました。
その後、2010年代後半からは「ノマドワーク」や「ノマドワーカー」という言葉がさらに広がり、特定の企業や業種に限らず、さまざまな分野でこの働き方が受け入れられるようになったのです。
「在宅ワーク」との違いは?
昨今では在宅ワークや在宅勤務などが急速に普及したことから、場所に縛られない働き方と聞くと在宅ワークと同じなのでは、と考える人もいるかもしれません。確かに「ノマド」と「在宅ワーク」はどちらもオフィスに縛られない働き方ですが、それぞれ異なる特徴があります。
ノマドワークとは、すでにご紹介したように場所に縛られず、自由に働くスタイルを指します。ノマドワーカーは、特定の場所に固定されることなく、カフェやコワーキングスペース、図書館、あるいは世界各地を旅しながらでも働けるのが特徴です。インターネット接続とモバイルデバイスがあれば、仕事の拠点を自由に選べるため、デジタルマーケターやライター、デザイナーなど、クリエイティブな職種に多く見られます。
一方、在宅ワークは、自宅を拠点にして働くスタイルであり、基本的に正社員として働く人が、オフィスで行っている仕事を自宅で行う場合に使われる言葉です。とくにコロナ禍以降、在宅ワークは多くの企業で導入され、中でもIT業界やコンサルティング業、カスタマーサポートなどの分野で広がりました。
このように、両者ともにオフィスでの勤務を必要とせず、リモートで仕事を行う点が共通していますが、それぞれの働く場所の定義が違うため異なる働き方といえます。少々使い方が難しい場面もあるため、言葉の意味をしっかりと理解することが大切です。
今後ますます広がっていく働き方
海外ではエストニアやジョージア、マレーシアなど、「デジタルノマドビザ」を外国人向けに発行している国が多数ありますが、2024年4月1日から日本でもデジタルノマドビザ制度が始まりました。
日本だけでなく世界のどこにいても自由に仕事ができるノマドという働き方は、今後ますます多くの人や企業が注目し、広がっていく方法であると見られています。
しかし、その一方で、税制や労働規制の整備などの課題に対する解決策が求められる可能性も考えられます。課題はありますが、働き方改革などが進む日本でも、ノマドという選択肢が珍しくなくなる社会は、もうすぐそこまで来ているのかもしれません。