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Temuで服を買ったら5日で届いた! ECサイト人気で航空貨物の需要が急上昇

ビジネス
©️Muhammad Alimaki / Shutterstock.com

©️Muhammad Alimaki / Shutterstock.com

近年、海外を拠点とするインターネット通販サイトの利用が急増しています。これらを総称するECサイトとは、本来はイーコマース(電子商取引)を行うすべてのWebサイトを総称する言葉で、ネットショップ以外にもネットオークションサイト、コンテンツ配信サイトなどが含まれます。しかし実際には、ECサイトという言葉は、おおむねショッピングができるWebサイトという意味で使われています。

世界的にはアメリカのアマゾン、日本では楽天などがその代表格です。最近、海外発のECサイト「SHEIN(シーイン)」や「Temu(テム)」が急成長しており、日々大量の貨物が中国などから世界中に配送されています。このような状況により、航空貨物の需要がますます高まっています。本記事では、ECサイト利用状況を筆者の体験を交えながら考察し、航空貨物の重要性について触れていきます。

インターネット通販の普及と海外ECサイトの台頭

羽田空港にてANA機で運ばれる貨物 撮影:筆者

羽田空港にてANA機で運ばれる貨物 撮影:筆者

インターネット通販サイトの普及により、消費者は自宅にいながら世界中の商品を購入できるようになりました。アマゾンや楽天といった大手通販サイトは、豊富な品揃えと迅速な配送サービスで多くの消費者を惹きつけています。若者にとって、手軽にスマートフォンやパソコンから注文できる利便性は大きな魅力です。

ECサイトSHEINとTemuは、若者の間で人気を博しています。SHEINはシンガポールが本社でファッションアイテムを中心に、トレンドをおさえた低価格の商品を提供しており、日々5,000トンもの貨物を世界中に配送しています。Temuはアメリカで誕生した企業で、日用雑貨も含めた多様な商品を取り揃え、日々4,000トンもの貨物を運んでいます。

この数字は、日本の航空貨物の毎日の全輸出量に匹敵し、それをECサイト1社で輸送している計算になるといわれています。この先、世界のECサイトのガリバーであるアマゾンに匹敵する輸送力を記録する日も来るかしれません。

このようなECサイトの成長に伴い、航空貨物の需要は急増しています。韓国や中国と日本間であれば海上輸送も選択肢に入りますが、輸送の中心は航空です。ファッション製品ではトレンドの物を迅速にお客様のもとに届けることが必要であり、航空輸送が中心になります。

海外EC商品を実際に買ってみた

筆者の自宅に届いたTemuの複数商品 枕のように丸くなって届きました

筆者の自宅に届いたTemuの複数商品 枕のように丸くなって届きました

実例をご紹介しましょう。SHEIN、Temuもスマートフォンで専用アプリをダウンロードして利用します。注文すると、配送の履歴が逐次表示されます。SHEINの一例では、1日目の午後に注文情報が送信されると、倉庫から発送されるのが翌日の午後になります。上海の空港を出発したのは、4日目でした。その後、関西空港に荷物が届き、通関許可が取れて東京都内へは6日目の午前中に配達されました。

その間、注文準備/包装待ち/発送待ちなど18通ものメールにて丁寧な連絡が入ります。実際に到着した荷物は、きれいなダンボール箱に詰められた日本の通販商品のようなわけにはいきませんが、不透明のビニールにギュウギュウに詰め込まれており、衣料品などは皺にはなるものの損傷している荷物はありませんでした。

Temuの事例では、同様にアプリを介し注文して5日目に自宅に配送されました。途中、SHEINと全く同じ18通のメールが入り、どの空港を利用したかはわからないものの、丁寧な対応は同じでした。両社ともに日本側ではヤマト運輸や佐川急便が使われ、迅速に輸送されてきます。

驚くべきは、国際航空貨物というと配送料は高いイメージがあると思いますが、なんとどちらのサイトも無料。返送料金も1回の注文に際し1度までは理由を問わず無料で対応してくれます。これは、あくまで記事執筆のために両社の2024年の一事例を述べたまでで、今後も確約されたものではないことをお知らせします。

SNSが喚起する購買行動で航空貨物がますます重要に

羽田空港にてJAL機で運ばれる貨物 撮影:筆者

羽田空港にてJAL機で運ばれる貨物 撮影:筆者

若者の購買行動には、SNSやインフルエンサーの影響が大きく関わっています。SNSで話題になった商品やインフルエンサーが紹介したアイテムは、瞬く間に人気を集めます。このように、若者は常に最新のトレンドを追いかけ、それに応じて購買行動につながっていると感じています。

今回ご紹介したECサイトの台頭により、航空貨物の需要が高まっています。これまでは国際航空貨物は企業間の輸送が主でしたが、今では受け手が一般消費者となるケースが増えています。海上輸送よりも30倍速いといわれる配送を支える航空貨物は、今後も重要な役割を果たし続けるでしょう。

筆者自身は実際に注文してみて、航空貨物の恩恵を実感しています。このようなトレンドは、今後も継続していくことが予想されます。

航空会社勤務歴を活かし、雑誌やWEBメディアで航空や旅に関する連載コラムを執筆する航空ジャーナリスト。YouTube チャンネル「そらオヤジ組」のほか、ブログ「あびあんうぃんぐ」も更新中。大阪府出身で航空ジャーナリスト協会に所属する。Facebook avian.wing instagram @kitajimaavianwing

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