【副業の先輩に聞いてみた】自分に合った副業の選び方とは?コミュニティへの参加は要注意
副業を始めようと思っても、数ある職種の中からどのように選べばいいのか悩む人は多い。やってみたい副業が見つかると、コミュニティに入ったり、セミナーを受講すべきかどうか気になってくるだろう。そこで、起業や副業を考えている方の支援を行っている「起業・副業EXPO」に出展している副業の先輩たちの経験談やアドバイスをお伝えする。今回は副業の選び方やコミュニティの選び方について話を聞いた(3回シリーズの第2回)。
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副業のヒントは今の職場にあるかも
光学機器メーカーの開発職を経て、現在は、経営者のセミナー支援などを行うオブリガード株式会社代表取締役社長として活躍する中野光裕さんは、会社員時代のIT関連の経験が思わぬ形で役立ったという。
「脳科学のセミナーで講師をされている方の資料作りをお手伝いしたことがあります。その方は話すのはうまいのに、資料をまとめるのが苦手で。そこで私が資料作成を手伝ったことから、新しい仕事のつながりができていきました」
多くのビジネスマンが作成するイメージのあるプレゼンテーション資料の作成だが、新たなビジネスチャンスを生み出すきっかけとなった。社内の多くの社員ができていることでも、一歩外に出てみると、当たり前のスキルではないのかもしれない。
「売れるプレゼン資料を作る人」こと中森学さんは、日本マクドナルド株式会社で働いていた経験を生かし、フリーランスのライターの道を選んだ。彼は当時を振り返り、次のように語る。
「社内報を書いていた経験があったので、友人から『文章が書けるならライターになれば?』と言われたのがきっかけでした。自分の経験を生かせる仕事を選ぶことで、結果的にうまくいったのでよかったのですが、もう少し副業について調べておけばよかったと思います」
日々の業務や趣味の中で培ったスキルが、思わぬところで副業に生かせる可能性があるのだ。自分の経験を棚卸しして、それをどのように副業に結びつけられるかを考えてみると見つけやすいのかもしれない。
・これまでの自分のキャリアを振り返って、副業で生かせそうなスキルを探す
・身近な人に自分の得意分野を聞いてみる
お金第一は逆に危険?コミュニティ選びの注意点
やってみたい副業が定まってくると、コミュニティやセミナーの情報も目に入ってくる。中野さんは、いきなり高額な塾に入らず、まずは無料のセミナーから受講することを勧める。
「講師の実績だけでなく、その講師から学んだ人の実績も重要です。講師の方が天才肌の場合がありまして、受講者にとって再現性があるのかどうか確認したほうがいいですね。また、ホームページに掲載されている体験談も確かめましょう」
ホームページに掲載されている受講者の名前を検索すると、他のセミナーやコミュニティでも同じ人物が登場することがあるそうだ。いわゆる「名前貸し」や架空の成功例を使っている可能性があるという。
Amazon物販コンサルタントでEC STARs Lab.(イーシースターズラボ)運営責任者の中西恒太さんは、コミュニティの未来についてこう語った。
「コミュニティは今後も増えていくことが予想されますが、本当に参加者のためになるコミュニティと、そうでないものに二分化されていく可能性があります。コミュニティのトップの考え方や志向性が、そのコミュニティの色となるので、自分に合うコミュニティを選ぶ指標となるでしょう」
SNSなど、運営者が普段発信している情報からも垣間見えるという。
「正直なところ、自分で物販をしていたほうが楽なんですよ。教えるにはまた別の技術が必要で、学ばないといけないことがたくさんあるんです。お金を払って人生をかけて来てくれる人に生半可な気持ちでは失礼かなと思っています。コミュニティの運営者が遊びに行っている投稿ばかりしていたら、本当に自分のためになるのか不安になりますよね」
コミュニティは必ずしも「ビジネス」に特化したものだけではない。フリーランス向けの会計講座などを開催する株式会社JIBUNDE代表の内藤まゆみさんは、公益法人で働いていた時期に、プライベートの延長でNPO法人や福祉事業の立ち上げに携わった。
「SNSが流行し始めた2006年頃、mixi(ミクシィ)を通して、さまざまなコミュニティに参加して交流を深めていきました。当時勤めていた公益法人では、会計だけでなく、イベントの企画立案や運営など、多岐にわたる業務を経験していました。プライベートでもその経験を生かしてお手伝いしていく中で、事業として形にすることができましたね」
内藤さんのように、ビジネス目的ではないコミュニティや人とのつながりが、思わぬ形で副業やキャリアの可能性を開く場合もある。幅広い視点を持ち、さまざまな経験や出会いを大切にすることも、副業成功の鍵となるかもしれない。
・まずは無料のセミナーを受講してみる
・コミュニティに入る前に、受講者の成果が出ているか確認する
・SNSなどで運営者が発信する内容をチェックしておく
・プライベートのサークルに入って、社外の人と交流を深めるのもあり
次回は、副業の未来と可能性についてお伺いした内容をお届けする。
取材協力:起業・副業EXPO