日本も住宅ローン金利上昇か?初心者でもわかる「金利上昇リスク」への備え方
変動と固定はどっちが多い?
「変動金利のほうが低金利なのは、金利変動リスクを契約者が負担するため。お金を借りる期間が長くなるほど、変動リスクも上がりますからね。対して、固定金利は金利変動リスクを銀行が負うことから、金利は高めに設定されています。この先も低金利が続くのであれば変動金利にメリットがありますが、金利が上昇すれば返済負担が増すおそれがあります。一方で固定金利は高いものの、この先の金利変動リスクをあまり気にしなくも良い点が魅力的です」
では、実際に住宅ローンを組んだ人は、変動と固定のどちらが多いのでしょうか。
「圧倒的に変動金利が多いです。『住宅金融支援機構の民間住宅ローン利用者の実態調査』(2022年4月発表)によると、住宅ローン利用者の約7割が変動金利で借りています。固定金利に比べて金利がはるかに低いため、返済負担を軽くする狙いがあるのでしょう」
「変動金利」に向いている人とは?
住宅ローン利用者の約7割が選ぶ変動金利ですが、将来、金利が上がるリスクを負担し続けることになります。変動金利を組むのに向いている人、そうでない人について千日さんにうかがいました。
「お金にゆとりがある人、いざとなれば家を手放せる人です。今後、金利が上がっても、まとまったお金があればローンを繰り上げ返済できます。現金がなくても、株や証券のような金融資産がある人も、心のゆとりが持てます。
もし現金がたくさんなかったとしても、家を売ることができれば売却益を使って残りのローンを返すことができます。逆に言えば、資金があまりなく、家も売りたくない人は、固定金利で組むか、住宅購入を見送るのがよいと言えます」