「転職で年収アップ」の考え方はかなりキケン。キャリアで持つべき“2つの視点”
人事が評価するのはどちらの学生か?
人事が学生の活躍を予測することは難しいですが、「ビジネスの世界で活躍できる可能性がある人材はどちらか?」と問われたら、多くの人事が後者の学生を選ぶでしょう。
入社後に、研修やマニュアルを求めるのではなく、自らの頭で考え、工夫と改善を重ね、業務スキルを身につけていく姿が想像できますよね。人事が見ているのは、ビジネスの世界でどのように立ち回るのか、という行動特性なので、大きな実績や華々しい戦績といった結果ではなく、そこまでの道のりなのです。
大事なのは、これまでにどんなこと(What)に対して、どのように(How)取り組んできたのか、を丁寧に整理しておくこと。「なぜ」「どのように」がきちんと話せれば、転職活動で失敗する確率はグッと下がるでしょう。
転職で年収アップしたは良いものの…
「転職で年収アップ」を目指す人はたくさんいます。ですが実はこの考え方はかなりキケン。本来、年収は自分の能力が高まり、所属企業に貢献できるようになった結果として上がるものです。転職で身の丈以上に年収が上がってしまうと、転職後に求められるパフォーマンスと報酬のギャップに悩んだり、その後のキャリアが行き詰まってしまうこともあります。
例えば、ビジネス経験があまりないのにもかかわらず、帰国子女で英語が堪能ということで、外資系企業から年収800万円のオファーを受け、転職した方がいました。大幅な年収アップで転職成功かと思いきや、入社して待っていたのはとても厳しい光景でした。
年収800万円の人がやるべき難易度の仕事が、「当然できますよね?」というスタンスでアサインされたのです。もちろん、ビジネス経験が浅い状態ではこなせるわけがありません。
ジョブ型雇用でパフォーマンスに厳しい外資系企業では、すぐに結果を出すことができなければ居場所を失ってしまいます。しかも一度、身の丈以上に年収が上がってしまうと、次の転職先も見つけにくくなってしまうという罠もあります。