東京は高ストレスで、地方は低ストレスは真実か?地方で働くことのリアル
地方にこそ伸び代があるのは本当か?
最後に、「地方にこそ伸び代がある」かどうかについて。これがもっとも重要な点です。組織が同質化、硬直化し、変わることができない。いつまでも昔の勝ちパターンにこだわってしまう等々。地方の場合、さらに輪をかけた「レガシー病(前時代病)」とも言える企業カルチャーが厳然と残っています。
いくつか列挙してみます。
◎対面至上主義
◎地方は賃金が安くて当たり前という下請け思考と根性論
◎いまだにファックス&ハンコ
◎職種が製造現場と事務と営業しかない
◎見えるものにしかお金を出さない(人材育成、IT、情報やアイデアに投資しない)
代表的なものを挙げましたが、これらが示すのは「高コスト低収益のビジネスモデル」です。
レガシー病がまん延した組織も多い
私は取引先にペーパーレスをお願いし、煩雑な事務作業には追加料金を請求することもあります。見えないコストを可視化し、「ノー」を突きつけるわけですが、それをせずに「お客様は神様」と合わせていると、いつまで経っても「高コスト低収益」の泥沼から抜け出せません。
さて、ここまで聞くと、「テクノロジーを駆使して低コスト高収益化させれば伸び代はあるじゃないか」と考える人も多いでしょう。その通りで、地方こそ高収益のビジネスモデルを目指すべきだと前述しました。しかし、なかなか一筋縄ではいきません。
私は、地方の過疎化は自業自得の面が強いと考えています。先進的な人材や成長意欲の強い若手がいても、レガシー病がまん延した組織は「これがうちのやり方なんだ」と頑固に変わろうとしない。
そのうち優秀な人材はどんどん東京に流出し、残った面々によって組織はますます硬直化していく……。そんな負のサイクルが至るところで見られます。