「安さで選ぶと損する?」保険のプロに聞く、失敗しないプラン選びのコツ
受け取りのハードルが高くなることも
「また、遺族年金の支給額にも注意が必要。夫が死亡して妻に払われるのと、妻が死亡して夫に支払われるのだと、後者のほうは年齢制限があったりお子さんが一番教育費のかかる18歳以降には遺族年金額が少なかったりと、受け取りのハードルが高くなります。
どんな働き方をしているご夫婦でも、どちらかが亡くなった後の生活費と収入をしっかりシュミレーションした上で死亡保障額を設定したほうが賢明です」
専業主婦(夫)や扶養内のパートなど家計における収入がそこまで多くない場合でも、いざという時に備えて生命保険(死亡保障)を検討してもいいかもしれない。
ちなみに生命保険文化センターの「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、2021年度の配偶者の普通死亡保険金額の平均は692万円、200万~500万の死亡保障に加入している人が全体の23.0%と最多に。こうした平均値も参考にするといいのではないだろうか。
保険について考えるのは大変だけど…
入江さんのもとに保険相談に来る相談者のほとんどが「保険はよくわからない」と嘆くという。プロとして説明をしている入江さん自身も「保険はとても複雑」と実感しているという。
「保険の比較検討はとても大変です。しかし、考え方によっては一時期だけを乗り越えたらあとはラクと思えば、若い方も乗り越えやすいのではないでしょうか。
実際に家族が病気になってしまったことで保険の大事さを見直した人や、保険未加入でガンになった友人が治療費の支払いで大変な様子を見て検討しはじめた人、1度ガンを患った過去がありながら保険に入れないかといった相談もこれまでありました。後悔しているケースも何人も見てきたからこそ、若い今のうちに保険を検討してほしいと思います」
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当初は筆者も「保険ってどうしてこんなに複雑でわかりにくく、面倒なんだ」と感じながら入江さんの話を聞いていた。しかし、わからないことを一つひとつ潰していくことで、なんとなく自分が入るべき保険プランのイメージがついていくことにも気付く。
「何から始めたらいいのかわからない」という人ほどネットで保険の情報を検索しては、結局ちんぷんかんぷんな内容で「もういいや」と投げ出すことが多いのではないだろうか。某CMではないが「面倒だからこそ、プロに相談してすぐ終わらせた」という友人の話もあるので、まずはためしに相談に行ってみるのも手かもしれない。
<取材・文/角やえこ 編集/ヤナカリュウイチ(@ia_tqw)>