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<漫画>教師と生徒の切ない“裸の関係”。数十年かけた漫画が生まれたワケ

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漫画の「難しさ」が良かった

推しの肌が荒れた

『推しの肌が荒れた』 (C)もぐこん/新潮社

――絵の気分転換で描きはじめた漫画にハマった理由は?

もぐこん:難しかったからですね。その「うまく表現できないもどかしさ」にハマっていきました。最初は絵と並行して漫画を描いていたのですが、コミティアとかに参加して同人活動をするなかで友達ができたりして、だんだん漫画だけを描くようになりました。

――なにか手ごたえがあったわけではなかったんですね。

もぐこん:全然なかったです。最初に描いた漫画なんか酷いものでしたよ。でも漫画は「時間」を表現できるのが面白いなと思ったんです。1枚の平面に描く油絵だと、なかなか扱うのが難しいテーマだったので。

 もともと小説を読むのが大好きで、物語をつくることには憧れがありました。課題で小説を書いてみたこともあったのですが、全然うまく書けませんでした。でも「絵は一応できるし、漫画なら描けるかも」みたいな軽い気持ちでした。

漫画は自分ひとりでは成立しない

――漫画を描くうえでも、絵にはこだわりがありますか?

もぐこん:そうですね。個人的に、ストーリーは読んでいけるだけの筋があればいいと思っていて、あとは絵が大事だと思っています。それこそ、同人活動時代は筋もないような、会話だけの作品を描いていました。だから、いまだに「面白い」って言ってくれる方がいるのも信じられないんです。常に「これ面白いのか?」と半信半疑で描いています。

――お話はどうやって考えているんですか?

もぐこん:今でも考えるのは得意じゃないので、担当編集さんと相談しながら、なんとかストーリーにしていく感じです。編集さんをめっちゃ信頼してやっていますね。もちろん今も自分で描いてはいますが、自分だけで描いていた頃とは明らかに出来が違うんです。最近は、自分ひとりでは成立しないところも、漫画の面白さだなと思うようになりました。

推しの肌が荒れた ~もぐこん作品集~

推しの肌が荒れた ~もぐこん作品集~

1枚の絵をきっかけに運命が変わった二人の少女の物語「推しの肌が荒れた」など、発表するごとに話題となった作品を厳選収録

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