安倍氏暗殺、なぜ駅に背を向けて演説したのか?「首相経験者」が過去にも危険な場面に
シャッターチェックを今後は課せられる?
今回の安倍元首相の銃撃事件で、容疑者は手製の銃を使用しました。事件発生直後の錯綜した報道のなかには「カメラに偽装した銃を使用したので、SPが一眼レフと見間違えた可能性がある」とも伝えられました。
不鮮明な画像での判断になりますが、容疑者が使用した銃は見間違えるほど一眼レフに似ていません。しかし、念には念を入れて、今後は官邸や国会議員会館などでもシャッターチェックを課せられるようになるかもしれません。
官邸などの警備より、今後早急に対応しなければならないのは街頭演説のような不特定多数の人が行き交う場での対処でしょう。
要人警護の在り方が変わる可能性も
要人警護は単に警戒にあたる警察官を増やしても意味がありません。選挙演説を街頭で実施する目的には、少しでも多くの有権者と触れ合って票につなげることが含まれているからです。警察官の数が増え、政治家と距離が生まれたり、接触ができなくなったりすれば街頭演説の意味がなくなってしまうからです。
事件を受けて、奈良県警の鬼塚友章本部長は、7月9日には記者会見を開き、「責任を痛感している。27年余りの警察官人生で最大の悔恨です」と語っています。また、二之湯智国家公安委員長は、現場での対応をはじめ警察庁に要人警備の在り方についても指示を出したようです。
今後3年間、大きな国政選挙はないとされています。大きな国政選挙はないとされています。その間、今回の件の検証が進められ、要人警護の見直しが進められることになるはずです。
<取材・文・撮影/フリーランスカメラマン 小川裕夫>