忙しい人が「Todoリスト」を破り捨てた結果どうなる?仕事に集中できるコツ
「余裕がない」と焦る男性の表情が一変した訳
私はあるとき、クライアント企業で働く30代の男性マネージャーから相談を受けました。彼いわく「毎日余裕がなくて、徒労感だけが残る」と。話を聞いていると、やるべき仕事を多く抱えて、すべて全力。残業するも結果が出ないという状況でした。
Todoリストを見せてもらうと、20個以上のタスクがズラリと……。私はとっさに、そのリストを破り捨てました。そして、「これでやるべきことはゼロになりましたね。覚えているタスクを今から書き出してみて下さい」と伝えました。
彼が書き出した項目は3つだけ。ようするに、その3つが彼にとって最も大切な仕事だということがわかりました。「本当に大切な仕事は緊張感を持って覚えているものです」と伝えると、晴れ渡った表情で彼は「やっとこれで前進できます」と話してくれました。
努力の方向性を見極めてムダな仕事量を減らす
そして、必要な仕事が明確になり、それ以外はいったん捨てることで、やるべき仕事に集中できるようになった彼は言いました。「すべてやりきる」「すべて全力でやる」は、思い込みだと気づいた瞬間です。
そうはいっても、割り切って「捨てる」ことができないなら、「減らす」考えもあります。例えば、ダイエットをするにしても一切食事をしないわけにはいきませんよね? 腹八分目にする、カロリーが高いものを減らすなど、できることはあります。
仕事の場合でいえば、無意味に仕事量を増やしても、テンパることもあるし、物理的に不可能なこともあるでしょう。それよりも、努力の方向性を見極めて、ムダな仕事量を減らすことで、余力が生まれて大切なことに時間を使うほうが大事です。
『アクション・バイアス』という書籍の中で、本質的なことに手が付けられない状態を「アクティブ・ノンアクション」という言葉で紹介されていました。私たちの頭の中もそうならないように気をつけないといけません。