「生娘シャブ漬け発言」で大炎上の吉野家が、“本当に守るべきもの”
個人の勇気ある発言が変えられるもの
そしてもうひとつ、吉野家の炎上でわかったのは、1人の確かな発言が大きな威力を持ちうるということ。企業や社会に違和感を覚えているのであれば、臆せずに発言すべきで、社会が問題視してくれる仕組みを活用してよいのだと、今回の件をきっかけに私は確信しました。今後、吉野家を含む吉野家HDは社会から厳しい目でチェックされることは間違いありませんし、大なり小なり軌道修正はされるはずです。
私たちが生きていく中で、労働問題、採用問題、人種差別、性別差別や格差問題など、企業や社会が抱える問題は数知れずありますが、大事なのは、被害者や弱者、不快な経験をした人たちが、我慢をしてはならないこと。
みなさんも、何か我慢をしていることがあれば、1人で悩まないで相談する、周りが動くことで事態は改善すると考えることで、必ずや解決策が見つかるはずです。
余談になりますが、私が今回の件以外で感じたのは、クレジットカードが使えないという点。ライバルのすき家や松屋は問題なく使えますし、飲食チェーンの中でカードNGなのことはやや時代遅れに感じてしまったことは否めません(電子マネーやICカードは使用可能)。個人的には、クレジットカード使用可能にしてほしいなと願っています。
さて、話を元に戻しましょう。守らなければならないのは、吉野家の牛丼です。いったいどうすればいいのでしょうか?
心から愛する“最高の推し牛丼”を作ること
どうすれば問題は解決するのか、私なりに考えてみたところ、吉野家の経営陣はもちろんのこと、社員一人一人がもう一度、“誰にでも自信を持って推せる最高においしい牛丼”を考えて、その姿を披露することではないでしょうか?
これくらいの牛丼を作っておけば、という甘んじた気持ちはすべて捨てて、どんな高級料理とも比較されない(役員が比較していたのが問題)、強い牛丼を見せて欲しいと願います。さあ、みなさんはどう考えますか? ぜひ、感じたこと、思ったことを自由に発信していきながら、これまで以上にもっとおいしい牛丼を味わいたいものですよね!
<文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ>