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「コウメ太夫の“奇人”っぷりも楽しかった」三浦マイルドが語る“コンビ”結成とM-1出場の背景

暮らし

R-1突然の芸歴制限で感じた率直な想い

三浦マイルド

――三浦さんは2013年にR-1チャンピオンになりましたが、その後もR-1に継続出場。誰よりもR-1への想いが強いのかなと思いますが。

三浦:R-1には2002年の第1回以来20年弱挑戦し続けていて、自分の青春みたいなものです。……青春といえば僕、学生時代に、“燃え尽きた”という経験がないんです。高校では柔道をやっていたのですが、全国大会に行くような経験とか、やり切ったー! という思いがない。だから大会への憧れが根本にあるのかなあ。

――〈出場資格は芸歴10年以内〉というR-1の新ルールを聞いた時、率直にどう思いましたか。

三浦:なんかね、出られなくなってホッとした部分もあるんですよ。

 大会4か月前には勝負ネタを考え始めて、2か月前くらいからそのネタばっかり練習していく。1か月前を切るとぐっすり眠れなくなります。頭の中は大会のことでいっぱいで、ずうっとキリキリ胃が痛い。そんな生活が約20年続いていたわけで、もちろん寂しさもあるんですけど、開放感のほうが……。これで一区切りだなって。

 出続けたのにはいろいろな思いがあって、まずはR-1への恩返しという気持ち。そして、優勝させてもらったのに自分はその後売れることができなかった、ということへの贖罪意識です。

 とはいえ、「もう出なくていいじゃないですか、一度優勝してるんだし」って若手に言われたこともあります。たしかに、後輩からしたらもう邪魔な存在なのかもしれないと思ったことがあるのは事実。でも、いちばん大きいのは、大会に出ていたほうがいいネタができるということですね。追い込めるんです、自分を。

元は漫才志望。憧れはダウンタウン

三浦マイルド

――コンビを組んで、新鮮だったことや発見はありましたか。

三浦:漫才でウケたことがなかったので、それは初体験でしたね。実は僕、NSC時代から数えると、4回コンビを作って解消したことがあるんです。ダウンタウンさんに憧れてこの世界に入ったので、漫才をやってみたい気持ちがあって。

 でもなかなかうまくいかなくて、自分はもう人と何かをやることはできない人間なんだと思ってピン芸人になった経緯があるので、“人と何かをやる”ということが久しぶりでした。コンビだと、手応えがあった時に喜びを分かち合う幸せはありますよね。

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