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育休取得率「5年連続100%」企業の社員も…「収入減が不安」のリアルな声

学び

7か月間仕事から離れて影響は…?

ファンケル

株式会社ファンケルの石川剛司さん(本人提供、画像は一部加工)

 とはいえ7か月間仕事から離れれば、仕事に多少なりとも影響は出るもの。育休取得にあたり、石川さんはチームメンバーにどんな配慮をしたのでしょうか。

「私の育休中にチームメンバーが困らないよう、丁寧な引継ぎ書の作成はもちろん、どの時期に不在にするのかを時系列でわかるよう図にして配布しました。パッと見て状況がわかるようにすることで、メンバーの負担を軽くしつつ、上司のマネジメントにも活用してほしかったのです。また、私でないと対応できない仕事があるとメンバーが困りますよね。なので引き継ぎ期間中には他メンバーを巻き込んで自分の担当を一緒に行い、業務の属人化を防ぎました」

 育休は働く人の権利とはいえ、男性が家庭を優先し仕事を離れる選択をするケースはまだまだ少ないです。そんなにキャリアにこだわりがあるほうではないという石川さんも、「7か月間仕事から離れることで今後のキャリアに影響はないか」と不安になったといいます。

周りに配慮する気持ちが強まった

 しかし振り返ると、「公私ともに、男性が育休を取得することのメリットは大きい」と石川さんは話します。

「仕事面では、以前よりも周りの人に配慮できるようになりました。これまでと立場が変わることで、気がつくことも増えたのでしょうね。たとえば、お子さんの熱で早退や欠勤する方を見て、以前は大変そうだなと表面的なことしか感じませんでしたが、家庭の状況をリアルに想像できるようになり、先回りしてフォローできるようになりました。私が将来管理職に就いたとき、部下への接し方や仕事の進め方などにプラスの作用を及ぼすのではないかと感じます」

 一方でプライベートでも前向きな変化があったといいます。

「1回目の育休で、新生児や乳児のケアをしながら家事をすることのハードさを痛感していました。産後は妻の心身がデリケートな時期でもありますから、2人目誕生後も妻と協力して家事と育児ができて良かったと思っています。また2回目の育休は、上の子が幼稚園入園のタイミングでもあり、その子との時間をたくさん取れたこともメリットでした」

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