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育休取得率「5年連続100%」企業の社員も…「収入減が不安」のリアルな声

学び

「パフォーマンスが落ちた」デメリットも

下村さん

下村さんは30代の製造業勤務

 だが育休取得は良い面ばかりではない。2人は次のような悩みを打ち明けています。

「仕事と収入の不安はありました。正直に言うと、育休を取得したことで家庭に意識が向いており、以前よりも業務に対するモチベーションは下がっているなと感じます。復職した際にパフォーマンスが落ち、長期的に家計を支えられるかは心配です」(河合さん)

「育休取得によってボーナスの支給額が下がりましたね。あとはコロナ禍における勤務の大変さを同僚と共有できなかったことでしょうか。あと、会社に対しては『もっと早く後任者を決めてほしかったな』と思いますね。できるだけ職場に負担をかけたくなかったので育休の希望を早めに伝えたのですが、後任者が決まったのは育休取得の1か月前のことでした」(下村さん)

 しかし2人とも、男性の育休義務化については総じてメリットを感じています。

夫の育休。妻はどう見る?

義務化をきっかけに、男性も育休を取得していいと風潮になっていくのではないでしょうか。ただ、育休を取得を男性社員への嫌がらせ(パタニティ・ハラスメント)が増えないかは心配なので、義務化と同時に何か対策は必要かだと感じます」(下村さん)

「大いに賛成です! 育休をとっても生産性が下がらない業務運営を企業が組み立てるきっかけにもなりそうです」(河合さん)

 最後に、視点を変えて妻側の声も聞いてみました。夫が2週間の育休を取得した三条さん(仮名、30代、メーカー勤務)は、「育休取得によって、夫の働き方が変わった」と話してくれました。

「以前は残業が当たり前でした。しかし0歳との生活を体験したためか、育休明けは定時帰りをするようになりましたね。子どもは4歳半になりますが、今でも続いています」

 実際に家事育児を経験することで大変さを肌で感じ、行動が変わる。これが男性が育休を取得することの大きなメリットではないでしょうか。

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