「災害関連株」でプロが教える8銘柄。トンガ沖の噴火で注目の銘柄も
南太平洋の島国・トンガ付近での大噴火が話題となったが、災害大国・日本にとっては他人事ではない。ここでは、天候不順や災害発生後に買われる株に注目する!(※株価などのデータは2月4日時点のもの)
海底火山噴火が株式市場に与える影響
地震、噴火、異常気象……。いつ起こるかわからない天変地異。1月15日午後、南太平洋に浮かぶ島国トンガから北方約65kmにある海底火山が噴火し、日本でも津波警報が出されるなど警戒が高まった。この噴火が株式市場にどのような影響を与えるのか。マーケットアナリストの平野憲一氏はこう話す。
「1991年にフィリピンで起きたピナツボ火山の噴火のケースでは、火山灰が地球規模で広がり、世界中に気温の低下、冷夏をもたらしました。今回のトンガの噴火については詳細が明らかになっていない部分はありますが、やはり時間をかけて世界で天候不順をもたらすことが予想されます。
そうなると、食糧危機が起こる可能性が高い。食糧セクターに強い伊藤忠や丸紅などの総合商社、種苗メーカー、さらにはクボタなどの農業機械メーカーも注目されそうです」
ただちに株式相場に反映されないが…
ピナツボ火山のケースでは、噴火から2年後に日本に冷夏が訪れて米不足問題が巻き起こった。一部報道では、トンガの海底火山はピナツボ火山の噴火の3倍程度の規模ともされる。「ただちに株式相場に反映される材料ではない」(平野氏)ものの、来年か再来年夏の天候次第では、当時を上回る食糧危機が発生してもおかしくはない。
株式アナリストの村瀬智一氏も“冷夏説”に同調する。
「商社のほかに『植物工場』関連の銘柄にも物色の手が伸びるかもしれません。冷夏などの天候不順を背景に野菜の価格が上がれば、天候に左右されずに野菜などを栽培できる植物工場の価格競争力が高まります。現時点で商用化も進んでいますし、レタスなどすでに流通している商品もあります。実際に植物工場を運営する昭和産業のほか、工場建設では東洋エンジニアリングなどが注目銘柄に挙げられます」
いまのうちに、これらの関連銘柄をチェックしておきたい。