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「災害関連株」でプロが教える8銘柄。トンガ沖の噴火で注目の銘柄も

コラム

インフラ復旧と「未来都市」建設が浮上

マネ得

 日本国内で噴火といえば、地震が来る度に取り沙汰されるのが日本一の山、富士山。昨年、複数の専門家が「いつ噴火してもおかしくない」などと発言しており、警戒が高まりつつあるようだ。富士山が噴火すれば、その直後は「相場どころではなくなる」(村瀬氏)可能性はあるが、噴火後の復興の過程を考えると、さまざまな関連銘柄が浮かんでくる。

 また、噴火以外にも、日本は常に地震や台風などの「天変地異リスク」にさらされている。天災後にどんな株が上がるのかを把握しておくことは、投資戦術のうえで決して無駄ではない。前出の平野氏は、災害発生後の銘柄の動向についてこう話す。

「富士山噴火による影響についてはあまりイメージが湧きませんが、“大規模な天災が発生”という点で考えると、やはり社会インフラの復興に向けた動きは見逃せないでしょう。政府は以前から『国土強靭化計画』を背景に、年間4兆~5兆円の予算を復興や防災対策に割いています。災害発生の有無にかかわらず、同計画に裏づけされた銘柄が大いに活躍する可能性は十分にあると思います

災害後の建設株の上昇を予想

マネ得

株式アナリストの村瀬智一氏

 道路や橋梁といったインフラは、田中角栄元首相の「日本列島改造論」によって、1970年代に整備されたものが多い。それから約50年が経過した現在、「設備更新の期限ギリギリ」だという。

「確かに、地震などの災害はいつ起こるかわかりません。ただ、インフラの再整備が国策として行われている状況下で、総じて株価がぱっとしない建設株を狙うのは、誤った投資戦略ではありません」

 村瀬氏も災害後の建設株の上昇を予想する一方で、それ以外に「スマートシティ」を興味深い材料として挙げる。

「災害で街に被害が出た場合、建物や道路を以前と同じ形に戻すのではなく、『スマートシティ』化していくことが考えられます。スマートシティ全体を手がけているのは、パナソニックトヨタ自動車ですが、それ以外にもスマートシティ絡みで通信ネットワークの構築や道路の地下化、電線地中化(共同溝)関連銘柄が注目されそうです。復興、復旧という後ろ向きなワードではなく、『未来都市』のようなポジティブな動きが目立つようになるかも」

 村瀬氏は、ほかにもスマートシティ関連として再生可能エネルギーをテーマに挙げる。主力になり得る風力発電の軸受けを手がける日本精工や、エネルギー関連機器を数多く手がける安川電気などの注目度が高まりそうだという。1~2年後に控える天候不順、明日にでも起こる可能性がある天変地異による災害に向け、投資面でも「備えあれば憂いなし」だ。

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