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水タバコ「シーシャ」店が“健全な若者”に人気なわけ「飲み屋よりいい」

暮らし

 シーシャ業界が今、勢いを増している。東京だけではなく愛知や大阪にも出店が相次いでいる。その出店ラッシュを支えているのが「若者のシーシャブーム」のようだ。水タバコや水パイプとも言われているシーシャ。蜂蜜などフレーバーで固められたタバコに炭を置いて熱して、出た煙を瓶の中に溜まった水を通して吸うという中東から輸入された喫煙具である。

シーシャ

「はちグラム 祐天寺店」

 2000年代後半からじわじわと進出してきたシーシャだが、ヒッピー文化やバックパッカー文化との相性が良く、日本ではいわゆる「アンダーグラウンド」に位置づけられていた。今のように喫煙目的店としてのシーシャ屋ではなく、シーシャが置いてあるBARで注文すると吸えるという、少し怪しげで、手を出しにくいものだった。

 しかし、現在は都内の繁華街を中心に店舗が増え、「相席屋」や「パブリックスタンド」などを展開する大手企業も参入するようになってきた。いかにしてシーシャは怪しげな雰囲気を払拭し、市民権を得たのか。シーシャ愛好家と、シーシャ屋を経営する方々に話を聞いた。

“無”になれる時間がつくれる

 まず話を聞いたのは高円寺にあるシーシャ店に通っているという29歳の女性。もともとお酒は好きだったが、「タバコは吸ったことない」と言う彼女の初のシーシャ体験はSNSで知り合った人とのシーシャ屋でのオフ会だった。

「ハマった理由は味。基本甘い系のフレーバーが多く、そこにミントなどを足して清涼感を出すのも醍醐味のひとつで、甘いものが好きな人にシーシャ好きが多いですね。基本はお店の人に味の好みを伝えて、作ってもらう感じで、慣れてきてからはこのフレーバーとこのフレーバーを足してくださいと、好みを伝えられるようになりました」

 常連の人と会うのも楽しいという彼女は「自分のために“無”になれる時間がつくれるのもいいです」とリラックスを求めて通っているようだ。

シーシャはお菓子やデザート感覚

シーシャ

シーシャ

 次にシーシャをたまに嗜む、30歳男性に話を聞いた。

「僕はシーシャのヘビーユーザーってわけではないんですが、ゆっくり本を読んだり、考え事をするときにシーシャ屋へ行きます」

 はじめてシーシャを吸ったのは、友達に連れていってもらったとき、ソフトドリンクが飲み放題だったので「こんなに落ち着ける空間があるのか」と感動したという

「ふつうのたばこと違うものを吸いたくて、シーシャはお菓子やデザート感覚ですね。今でも、月に1回くらいはまったりと自分の時間を満喫したくて、1人でシーシャ屋へ行っています。また水のフィルター部分にラムやウォッカなどのお酒を入れてもらうと、酔っ払ってくるので、飲酒の変わりになるところもいいですね。だいぶストレス発散できます」

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