「ウマ娘」大ヒットと和解金33億円…ゲームアプリが話題の2社は業績も明暗くっきり
流行るべくして流行ったウマ娘
例えば「トウカイテイオー」は日本の調教馬として初の国際G1競走優勝馬となった奇跡の名馬です。ウマ娘では髪の毛に毛並みや毛色を取り入れており、衣装を実際のジョッキーの勝負服に寄せるなど、当時の雰囲気を絶妙につかんでいます。
現在、スマートフォンゲームユーザーの年齢は30代後半から40代前半が中心となっています。ゲームは1998年の競馬黄金期を中心にストーリーやキャラクターが練り込まれており、その世代がちょうど20代で競馬に行きはじめる時代と重なります。極めて計算されたゲームだと言えます。
業績不振だったABEMA事業にも光明が
ウマ娘にばかり注目が集まるサイバーエージェントですが、2015年3月に配信を開始したインターネットテレビサービス「ABEMA」も売上高を大きく伸ばしました。運営は2015年にテレビ朝日と共同出資して設立した株式会社AbemaTVです。
2021年9月期のABEMAを含むメディア事業の売上高は前期比45.1%増の828億円となりました。まだ赤字からは脱することができていませんが、大幅な売上アップは今後の成長に期待できます。ABEMAとその周辺事業だけの売上高は449億円。前期から2倍以上伸びています。
売上伸長に一役買ったのが「周辺事業」。サイバーエージェントは公営ギャンブル(競輪・オートレース)のネット投票ができる「WINTICKET」を2019年4月にリリースしました。公営ギャンブルは新型コロナウイルス感染防止の観点から無観客化しました。
それを背景としてインターネットによる投票が加速したものと予想できます。リリースしたタイミングで利用者拡大の追い風が吹きました。プラットフォーム型で利益率が高いため、ABEMAの赤字を救済するサービスとなるかもしれません。