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赤字7.7億円の失敗体験も…ミクシィ「モンスト」部長が語る、大ヒットの法則

ビジネス

海外ゲームの台頭で市場が激化

ミクシィ

 こうしてモンストは急激に成長を続け、最盛期には1000億円を超える売り上げを出すなど、まさにモンスター級のゲームタイトルとして市場を牽引していた。

 しかし、2017年以降、「荒野行動」や「IdentityV 第五人格」「フォートナイト」など海外のゲームパブリッシャーが次々とマルチプレイ型のゲームをリリースし、競争が激化。“パイの奪い合い”が生じたことで売り上げが減少傾向に転じた。道下氏はモバイルゲーム市場特有の状況についてこう説明する。

「2017年を境に、日本のみならず海外のゲームパブリッシャーとも戦わなければならなくなりました。そのため、ユーザーが多様なタイトルをプレイするようになってきています。そのような市場環境において、どこかひとつのゲームタイトルが市場を寡占することはなく、それぞれのゲームごとにファンコミュニティが生まれていると考えています。その中で、我々はこれからも『モンストらしさ』を追求し、シンプルな中にも深みがあるゲーム体験とユーザーサプライズをいかに提供し続けるかが鍵となってきます

年間計画を立て、ターゲットを細かく設定

 2019年まで下がっていた売り上げも、 2020年からは再浮上の兆しが見えており、競合ひしめくなかでの勝ち筋を探っている状況だ。モンストはミクシィを支える主力事業であり、世の中における認知度も高い長寿タイトルだ。

 しかし、マーケティングの囲が広いゆえに、今まではターゲットへのフォーカスが緩んでいたという。誰に向けてコミュニケーションを打ち出し、どのような成果を上げにいくのか。これらを明確にし、今期のテーマに掲げる新規ユーザー獲得に向けてのアクションを実施したところ、現段階で獲得目標値の120%増を達成しているそうだ

「今期より、今まではシーズナルごとに取り組んでいたコミュニケーション施策から、年間フレームでコミュニケーションを行う設計に変えたんです。また、クリエイティブに関しても多様化するユーザーのインサイトに対して、フォーカスを絞って訴求するるよう工夫したことで、過去にかけていた広告コストの半分くらいで成果を出せるようになりました。ある種ドラスティックに変えたことで、効率性や質の担保をすることができ、結果に繋がっていると考えています」

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