なぜ企業アカウントは伸びづらいのか?見せるべき重要な軸3つ
スマホの普及により、私たちの1日の情報摂取量は10年前に比べ、およそ530倍といわれています。営業マンが自社の商品を売り込もうと思っても、認知すらされないのが現実です。
そんななか、企業の売上115倍にPRで貢献し、大人気のPR塾を主宰するのが、株式会社LITA代表取締役の笹木郁乃氏(@ikunosasaki)。
そんな彼女のPRメソッドを盛り込んだ新刊が2021年7月に発売された『SNS×メディアPR 100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)。今回は彼女が教えるのは、なぜ企業アカウントは伸びづらいのかの背景です(以下、同書を一部編集のうえ、抜粋)。
なぜ企業アカウントは伸びづらいのか
たった1本の動画を皮切りに、1年ほどでチャンネル登録者数が220万人になったユーチューバーや、TikTokで有名になって芸能界デビューという個人の事例をよく耳にするようになりました。しかし、SNSを利用して有名企業になったという事例はあまり聞くことがありません。それは、企業には「完璧でないといけないという呪縛」があるからです。
たとえば、HPやパンフレットなど、企業から発信するあらゆるものは、隙がないよう作りこまれた完成品です。そういう発信に慣れている企業では、SNSで好まれる「完璧なあなたではなく、人間味あふれる共感できるあなた」を見せるのに、非常に抵抗があるのです。
そういう企業がSNSを運用すると、「企業対人」とのコミュニケーションになり、一方通行な情報発信になりがちです。それでは、SNS の基本である「人対人のコミュニケーションで心を動かす」という共感は得られにくくなります。
フォロワーの心を動かすには、プロジェクトの過程を見せたり、フォロワーも巻き込むような発信をする思い切りも大切です。
完成過程を見せることが大切
完璧にできあがってから、「こんな商品を発売します!」では、企業からの一方的なお知らせでしかありません。
そうではなく、「〇〇で困っている人を助けるために○○を開発中です」「こんなところが上手くいかず、失敗作が〇個もできてしまいました」など、ちょっとした失敗談や開発秘話、担当者の気持ちなどを入れることで、「企業対人」から「人対人」へのコミュニケーションに一歩進むことができます。
すると、商品自体に興味がない人にもワクワク感を共有でき、シェアなども増えていきます。完成過程を見守ることで「買おうかな」という気持ちが生まれることもあるのです。