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衆院選「無駄だから投票しない」という人が入れている“1票”/ラッパー・ダースレイダー

ビジネス

当選した人が“代理人”としてすべきこと

 民主主義社会では、票を多く取った多数派が勝ちます。票を取った人は、自分に投票しなかった人の分も含めて代理人になるということです。ですから、自分に投票しなかった人たちにも納得してもらえるように働くということを、立候補した人は前提として持っていなければいけません

 そういった前提を持っていない候補者に、代理人の資格はないと思っています。自分に投票した人だけを大事にするのではなく、自分に投票しなかった人にも納得してもらえるように、ちゃんと説得しながら物事を決めていける代理人を選ぶのが選挙です。

 各新聞には注目の選挙区の記事があったりと、選挙の背景がいろいろと載っています。自分の目で情報を取りにいくのもいいと思います。

選挙に関する教育の課題とは

高校生

 よく若者の投票率が問題になります。僕はこれは若者のせいにできないと思っています。なぜなら、18歳から選挙権は持つにもかかわらず、18歳になるまで選挙の意味を一切教わらず、突然本番に駆り出されるからです

 そして「あなたの一票が大事」「投票に行こう」とだけ言われる。なぜ投票するのか、自分が持っている権利はなんなのかを十分に理解しないまま放り出されるんです。

 例えば、アメリカであれば中学で模擬選挙をやるし、フィンランドであれば中学の授業で学生たちが選挙取材に行って、候補者にインタビューをする教育を受けています。こういった有権者への道を日本の教育制度は担保できていないので、ここも教育の問題、日本社会の問題だと思っています。

 なぜ選挙に対する教育を行わないのかを考えてみましょう。「なぜ選挙を知ってもらおうとしないのだろう」「なぜ有権者になる前に、自分たちが何を行使しているのかを教えないのだろう」と考えるのも大事だと思います。

 それによって、制度や教育内容を決めている人たちが、自分たちをどう考えているのかを理解できる。その結果「この人たち、自分のことを考えてくれていないのでは?」と思ったら、自分たちでそれを変えることができます。それもまた選挙です。

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