消費税は必要なのか?「5%に減税」を野党が公約にする今、専門家に聞いた
消費税はいわば「消費に対する罰金」
消費税増税による日本経済へのダメージについて聞いたところ、
「拙著『MMT〈現代貨幣理論〉とは何か』などでも図示しているように、国内民間実質消費の推移を調べると、駆け込み需要の反動による、増税後の短期的な消費落ち込みといったレベルを超えて、中長期的な消費伸び率が増税後に大きく下振れしているのは明らかです」
と断言。しかも、問題はそれにとどまらない。
「消費税はいわば『消費に対する罰金』であり、消費、そして日本経済全体に対するマイナスの影響は、構造的・長期的なものとなります。国内消費が抑制されれば、企業による国内投資も停滞し、『人材への投資』である賃金も抑制されてしまいます」
日本経済衰退の原因は緊縮財政?
「また、消費税には、低所得者ほど負担が重くなる『逆進性』によって経済格差を助長するという問題点もあります。これは、一般的には所得の高い人ほど収入に占める支出の割合が低くなる傾向があるからです。
消費税が5%に増税された1997年以降、日本では財政支出を抑制する緊縮財政が本格化しました。その流れは今でも続いており、消費税増税が繰り返されるのもそのためです。緊縮財政本格化以降の財政支出伸び率は、年率ほぼ0%にとどまっています。こんなに緊縮している国は、世界中探しても日本以外にありません」
そして、「緊縮財政に連動して経済成長もストップし、国内産業が衰退して実質賃金も低下を続け、国民の豊かさは損なわれ続けています」と警鐘を鳴らした。