フランス人の“酒のプロ”が選んだ日本の焼酎・泡盛ベスト6。1位の酒に「ブラボー!」
審査ポイントはフランス人らしく情緒的
本格焼酎・泡盛に対し、審査した点はいかにもフランス人らしく、情緒的で奥ゆかしいものだったそうです。
「審査基準は『香りに対して、複雑で多彩なものを体験できること』『原料の香りや味わいがあり、それを上手く生かしているかどうか』『味も単調にならず、深みやコクもあり、キラリと光る作り手の個性がわかるようなところが発見できるか』といったものでした」
芋・麦・米・黒糖・泡盛・樽貯蔵のトップは?
このような、日本人からするとニュアンスが難しそうにも思える審査を経て、「フランス人にとって美味しい焼酎・泡盛」として下記が選ばれたそうです(※いずれのコメントも「本格焼酎・泡盛」部門の審査委員長・クリストフ・ダヴォワンヌ氏によるもの)。
★1. 芋焼酎部門「知覧Tea酎」(鹿児島県・知覧醸造)
「まず香りの驚き。大変美しい複雑感のある香りです。続いて味わいにも驚かされました。原材料である薩摩芋、さらにハーブや野菜の風味が濃密にしっかりと味わいの中に続きます。コンクールの後、この焼酎をハイボールとして飲んでみましたが、ソーダで割っても特徴を失うことなくむしろさらに風味が広がりました。この蒸留酒を生み出した生産者の方、ブラボー! 讃えます」
★2. 米焼酎部門「極楽 しず馴」(熊本県・林酒造場)
「香ばしいお米でありながら、お米の甘みと旨みが同居した、また、熟成感の漂う個性的な一本」
★3. 麦焼酎部門「本格麦焼酎のんのこ THE APPLE」(佐賀県・宗政酒造)
「青りんご、西洋梨などを感じさせる爽やかでフルーティな香りと麦のコクある味わいが印象的。優しく口の中を漂います」
★4. 黒糖焼酎部門「壱乃醸朝日」(鹿児島県・朝日酒造)
「ラム酒のような黒糖の特有の香りが品良く出ていて、また、味わいは甘い旨みが調和されています。アルコール度数を感じさせない柔らかさ。バランスが取れています」
★5. 泡盛部門「美しき古里」(沖縄県・今帰仁酒造)
「爽やかな白い花の香りに、海のミネラル香がほどよく漂う楽しい香り。この複雑さと丸さ、そして熟成を感じさせる甘みとコクが心地良いです」
★6. 樽貯蔵(焼酎・泡盛)部門「田苑 ENVELHECIDA」(鹿児島県・田苑酒造)
「柑橘系のフルーツ、優しい南国のバニラの香り、酸味豊かで、バランスが良く取れています。少々の苦味もアクセントになっていて味わい豊かな一本です」