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UHA味覚糖、幻のラムネ誕生に隠された苦労「ヒット確率は1000分の1」

ビジネス

幻のラムネを継承した商品を発売

UHA味覚糖

UHA味覚糖が2018年から販売している「レインボーラムネミニ 」。写真はソーダ味

 社内で行う商品開発とは別に、2018年に発売したラムネ菓子「レインボーラムネミニ」は、とあるご縁から商品化が実現したそうだ。

「奈良県生駒市にイコマ製菓本舗というラムネ工場があり、そこで作っていた『レインボーラムネ』が大変な人気を博すお菓子だったんです。ただ、小さな町工場で限られた数量しか生産できないということで、同社の平口治社長から直々に弊社へ相談が来たのが、『レインボーラムネミニ』を作るきっかけになりました」

 レインボーラムネは月に2回ほど、1日80袋のみの販売に限られている。はがき抽選や店頭での販売には多くの人が殺到し、すぐに完売することから“幻のラムネ”と称されることも。また、奈良県生駒市のふるさと納税返礼品に選ばれたことも、話題を呼んだ。

「知る人ぞ知る名産品を、もっと多くのお客様に知ってもらい、ラムネの魅力を広めたい。こうした平口社長の強い願いに応えるために、レインボーラムネ ミニの商品開発が始まったんです

本家のラムネを再現するため試行錯誤

UHA味覚糖

箱やグラスに入れるとSNS映えすることから、口コミで広がっていった

 しかし、ここからが長い道のりを経ることになる。量産体制を整えることはもちろん、本家のラムネとサイズが異なるため、形や味、口の中での溶け方などを忠実に再現する必要があった。そのため、平口社長と商品開発部隊との密なやりとりを何度も繰り返したのだ。

「毎回試作品のラムネを何種類も用意し、ひとつひとつ試食してもらいながらフィードバックをもらっていました。半年くらいで目処が立つと、今度は機械化で量産化するため、研究室でブラッシュアップを続けました。パステル調の色は再現しやすいのですが、本家のレインボーラムネの味に近づけるには、やはり平口社長に食べてもらわないとわからなかったので、苦労しましたね。

 そして最後には、工場生産して仕上がったラムネの味をチェックしてもらい、商品化にたどり着くまで1年間程かかったと思います。100~200回超えるほど本当に試行錯誤を重ねました」

 2018年6月にようやく日の目を見たレインボーラムネ ミニは、最初にお膝元である近畿や中部地方に展開していったという。苦節を重ねた甲斐があり、販売から2か月で品薄状態になるほどのヒットを飛ばし、いっとき販売休止に。2019年1月に販売再開後は九州、東日本へ拡販していき、現在では全国に展開する商品となった。

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