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タワマンに住む長所&短所8つ。ローン返済額は年収の何割にすべきか

コラム

維持管理のため「管理費」が高額なケースも

タワーマンション

【⑥ 騒音】
 タワーマンションでは建物内のデザインが豪華なものがほとんどなので、壁の構造もしっかりとした厚いものになっていると思いがちですが、実はマンションの軽量化を図るために、一般的なマンションに多く用いられているコンクリートよりも密度が低い材料を使用していたり、壁を薄くしたりしているケースも少なくありません。

 そのため、タワーマンションは隣人の声や音が聞こえやすかったり、騒音トラブルが多いと言われることもあります。特に集合住宅での騒音問題は避けては通れない問題とも言えますが、音の感じ方には個人差があるので、日頃から音に敏感な人は、あらかじめ壁の厚さや材質、遮音性能について確認すると良いでしょう。

【⑦ 管理費・修繕積立金】
 前述したように、タワーマンションでは豊富な共用設備やサービスが備えられているため、その分、維持管理のための「管理費」が高く設定されているケースがほとんどです。自身や家族のライフスタイルに適した共用施設やサービスが揃っていたり、予約が取りやすく利用しやすい環境であったりする場合は妥当な費用であると思いますが、自身の部屋で過ごすことが多い人や予約状況が常に埋まっている場合には、余計な出費となりかねません。

 また、「修繕積立金」についてですが、タワーマンション自体がまだ築浅のものが多く、これまで大規模修繕工事を実施した事例が少ないこともありその相場費用が算出されにくい状態です。

 売れやすくするために販売時の修繕積立金は安く見積もった金額であるという見方もあるため、今後実際に着工される際に不足分を各所有者に請求する可能性も考えられますので注意が必要です。

超高層マンション竣工戸数が3年ぶり増加

【⑧資産価値】
 タワーマンションの敷地内にはコンビニやスーパーをはじめ、図書館や教育施設が設置されている場合も多く、最近では駅直結型のものも見られるようになりました。合わせて、これまでお伝えしてきました通り共用設備やサービスの充実化に伴い、その資産価値も比較的高くなっています。まして新築についてはさらに付加価値が付き高額な販売価格となっているので、中古でも高値で取引されやすい傾向にあります。

 そして昨今の新型コロナウイルスの影響もあり、テレワークの普及や自宅で過ごす人が増加したことから住環境の重要性が増し、こうしたタワーマンションにも改めて注目する人は多いようです。

 なお、国土交通省が公表している最新「令和2年度 住宅経済関連データ」を見ると、2015年(平成27年)~2018年(平成30年)まで減少傾向にあった超高層マンション竣工戸数(首都圏)が、2019年(令和1年)では3年ぶりの増数となっています。今後の超高層マンションにおける需要と供給に注目ですね。

タワーマンション

※令和2年度 住宅経済関連データ より

 ただし逆に言えば、周辺環境が良くなかったり、駅から遠い場所にあるタワーマンションは資産価値が高いとは言い難く、管理維持費用や税率上昇によるコストの高騰、乱立による住宅の供給過多などによりタワーマンション自体の価値が下がってくる可能性も考えられます。

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