タワマンの気になる価格帯のポイント

　そして皆さんも一番気になっているであろうタワーマンションの価格についてですが、マンション価格はその立地や広さ・階数、築年数などによって決められ、さらにタワーマンションでは付帯設備やサービスなどによっても大きく左右されますが、安いもので東京や大阪だと5000万円前後～、高いものでおよそ2億円前後となっていることが分かります。

　また、今年に入ってからの新築分譲マンション販売価格は首都圏だと6000万円前後、近畿圏では4000万円前後を推移しています（不動産経済研究所調べ）。このことから、実際にタワーマンションの売買が人気傾向であることがうかがえますね。ちなみに中古のタワーマンション分譲相場価格については、東京だと3000万円～2億円、大阪だと4000万円～1.5億円となっているようです。

　なお、購入する際にはほとんどの方が金融機関のローンを利用すると思いますが、年間返済額が年収の20～25％以内となるような価格帯の物件を目安とするべきでしょう。例えば年収500万円の方だと、年間返済額にして100万～125万円（月々にして8万～10万円）の返済となりますね。さらに諸費用や管理費・修繕積立金を含めると年収の30～35％ほどの支払いとなるような価格帯の物件にすると、比較的無理のない返済計画を立てることができます。

　ただし、賃貸住宅からの住み替えで購入を検討しているならば、借りられるローンの上限で考えるのではなく、支払いが現在の家賃と大きく乖離しないことも大切です。頭金については0円でもローン利用が可能ですが、その分、金利が高くなって支払総額が多くなり注意が必要ですので、できる限り用意しておきたいところです。

条件さえ整えば「購入」もおすすめ

　前述したように億単位となる場合もある「タワマン生活」では、やはり一般的なマンション生活では味わえないメリットがたくさんあります。ただしそれはデメリットとも表裏一体の側面もあり、個人の性格や嗜好、許容範囲やその基準によって、メリットとしてどれだけ享受できるかは異なってきます。

　高額な買い物となるタワーマンションですが、思ったよりもストレスのかかる生活になってしまっては、購入までする価値はあまりないと言えるでしょう。また、売却や投資用として購入を検討する場合には、社会経済や市場の動向をしっかり把握しておくことや、対象物件の特徴や周辺環境の状況を確認しておくことが重要です。

＜TEXT／株式会社リヴトラスト代表取締役　杉本一也＞