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「東証プライム再編」で狙いたい株。ワークマン、メルカリほか11銘柄

コラム

 新市場から脱落する企業はどこか? 今、兜町はそんな話題で持ち切りだという。背景にあるのは来年(2022年)4月の市場再編。東証は1部、2部、JASDAQのスタンダードおよびグロース、そしてマザーズと5つに分かれる市場を、「プライム」「スタンダード」「グロース」の3市場に再編する予定だ

東証

東京証券取引所(東京都中央区)

 東証1部から「プライム」へ。海外の投資家を呼び込むための市場再編は、東京市場にどんな変化をもたらすのか? 売り買いが交錯する「プライム落ち」銘柄と昇格銘柄を追った!(※数値は7月19日時点)

1部上場企業約3割が基準を満たしていない

 プライムは現在の1部と同様、“最上位”の市場に位置づけられるが、1部上場企業約2100社の3割に当たる664社がプライムの基準を満たしていないことが7月9日に公表されたのだ。「株の福の神」として知られる藤本誠之氏@soubafukunokami)が解説する。

「プライムの上場維持基準を満たさない企業は来年10月から新たに算出されるTOPIX(東証株価指数)から外れる可能性があります。当然、これをベンチマークに運用するファンドからは大量の売り物が出る。異次元緩和などにより、今ではTOPIX構成銘柄の10%以上を日銀とGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が握っています。

 発行済み株式数の10%もの潜在的売り圧力を考えたら、TOPIXから外れる銘柄の値上がりは期待できない。だから、どこが脱落するのか、マーケットは疑心暗鬼になっている」

混乱に拍車をかけているプライム上場維持基準

図版

新たな市場の区分と上場維持基準

 そのプライムの上場維持基準は「株主数800人以上」「流通株式数2万単位以上」「流通時価100億円以上」など。だが、「流通株式」の算出が困難なため、混乱に拍車をかけているという。

「以前から使われてきた浮動株(市場に流通する可能性の高い株)と概念的には一緒ですが、浮動株には該当しない『大株主上位10人の保有株』であっても、海外の事業主やその企業と利害関係のない個人が投資目的で保有する分は流通株式にカウントされる。属性が定かでない株主が多いため流通株式数の算出が難しく、『流通株式時価総額100億円以上』と『流通株式比率35%以上』という基準を満たしているのか否か、判断のつかない企業が多いのです

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