東京で「ジョイント貸して」が通じない。宮城出身者がビックリした“意外な方言”
「ジャス」って何のこと?
こんなことは、ほかにもあったといいます。
「“ジャス”ですね。ジャージをジャスというのも当たり前で、学校指定のジャージを扱う店でも『ジャスあります』と書いてありました。でも、なんでジャスなのか、言われてみると謎ですが……。青いジャージは青ジャス、緑のジャージは緑ジャス。学校からの手紙にもジャスと書いてあったので、なにも違和感を抱かずにいました」
さらに、独自のワードは続きます。
「バンドエイドもカットバンと言います。絆創膏やバンドエイドっていう言葉も知っていたけれど、自分ではあまり使わないですね」
ホチキスも、ジャージも、バンドエイドもあまり表立って使う単語ではないので、ローカルだと気づく機会が少ないかもしれません。自分では標準語を話していると思っても、家族や地元の友人たちにとっては当たり前な言葉は、そのまま直す機会がないといえます。
雪国の“あたりまえ”が通じないことも
言葉以外にも、土地柄で必要なものが、伝わらなかったこともありました。
「私が住んでいたのは仙台の市街地に近い方だったので、自分の身長以上の雪が積もったりはしなかったですが、それでも小学生の頃には靴の裏にスパイクがついたスニーカーを履いていました。東京で雪が降ったときに『ほら、靴の裏にスパイクが付いたやつ』って話をしたら、周りには『はっ? 』という顔をされたんです。関東はそれほど雪が降らないので、これも伝わらなかったですね」
ゆかりさんは、地元が好きだと言います。
「でも宮城特有のものって、本当はいっぱいあるんですよ。中サイズにしても、ものすごい量のご飯が出てくる食堂『半田屋』とか、グループ分けをするときは『うらおもて』っていう手遊びで分かれたり。全部全国区だと思っていました」
今はなかなか旅行もままならない時期だけに、こういう出来事をきっかけに地元のことが懐かしく思い出されるのかもしれないですね。
<取材・文/池守りぜね イラスト/カツオ(@TAMATAMA_GOLDEN)>
特集[ローカルで驚いた出来事]