納豆に砂糖、すき焼きは豚肉…北海道の“独特な食文化”に驚きを隠せない
意外と違和感のない「豚すき焼き」
また、つい先日のことだそうですが、北海道在住の親戚宅へ挨拶を兼ねて泊まりに行ったときのこと。久々の再会ですき焼きを振舞ってくれたのですが、なんと牛肉ではなく豚肉を使用。この家庭が特別なわけではなく、道内には豚肉ですき焼きを食べる方も一定の割合でいると知り、大変驚いたそうです。
「ウチの実家ではすき焼きはスペシャルな御馳走として季節ごとに、ほぼ1回は食べていました。だから、これまで散々食べなれたものでしたけど、豚すき焼きはこれがデビュー。
食文化として定着しているので邪道とまでは思いませんが、やっぱり牛肉に比べたら味が落ちるんじゃないかなと思ったんです。けど、食べてみると全然違和感がなくて、豚肉も美味しいんですよ。しかも、こっちなら肉代も安く抑えられますし、これも今では自宅の定番夕食メニューのひとつです」
納豆に砂糖投入の衝撃!
でも、それ以上に栗生さんが衝撃を受けたのは、翌朝の朝食に出された納豆の食べ方。叔父は市販のパック納豆に小さじ1杯の砂糖をまぶしたからです。
「納豆に砂糖」は全国的には珍しいかもしれませんが、北海道や東北などの一部地域では比較的ポピュラーな食べ方。実は、砂糖を加えることで納豆に粘り気が出るだけでなく血栓溶解作用のあるナットウキナーゼの数が増え、単に甘くするための味変ではないのです。
「そんな話を聞き、自分でも試してみたんですけど、確かに小さじ1杯くらいじゃ甘くなるってほどじゃありません。そもそもタレやカラシも入れますし、そっちの味のほうがよっぽど強いですね。見た目にも粘り気が倍増してますし、身体にもいいならこれはこれで食べ方としてはアリかなって。それから朝食で納豆を食べる際は、必ず砂糖を投入しています」
彼のように個人的に興味を持ったものは、普段の食事に取り入れてみるのもいいかも。そうすることで食生活が豊かになれば、日々の何気ない食事もさらに楽しくなりそうですね。
<取材・文/トシタカマサ イラスト/カツオ(@TAMATAMA_GOLDEN)>
特集[ローカルで驚いた出来事]