「ガリガリ君」40周年で年4億本。赤字3億円になった味もある“あそび”の裏側
今年2021年に40周年を迎えた「ガリガリ君」は、子供から大人にまで愛され、いまや知らない人はいないというほどの人気商品です。
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けれど過去には、ガリガリ君キャラクターへのネガティブなイメージが発覚したり、ナポリタン味で約3億円もの損失を出してしまったりしたこともあると言います。
それでも、遊び心や消費者との接点を大切にして、いまの地位を築いた。そんな「ガリガリ君」の商品開発の裏側に迫るべく、赤城乳業株式会社の開発マーケティング本部 マーケティング部 マーケティングチームの岡本秀幸係長にお話を聞きました。
片手で食べられるかき氷
岡本さんは「子供たちが、外で遊びながら片手で食べられるかき氷をテーマに開発したのがガリガリ君です」と語ります。確かに、カップのかき氷だと「片方はカップ、片方はスプーン」を持たないといけないので、遊びながら食べるのは難しそうです。
「開発当初はかき氷を固めただけの商品でしたが、溶けや崩れなどの課題があり、外側をアイスキャンディーでコーティングするという製法で完成したのが、今のガリガリ君です。ただ、消費者調査で、ガリガリ君へのネガティブなイメージがあることがわかって、キャラクターデザインを一新したこともありました。ちょうど、2000年です。
でも、TVCMやイベント、サンプリングなどの活動をしたことで、お客様との接点やガリガリ君を食べていただく機会が増えるなど、よいこともたくさんありました」
いくら丼アイスやラーメンアイスを発売したことも
また、赤城乳業といえば、「あそびましょ。」のスローガンも有名です。
「競合メーカーでは菓子や乳業など食品事業を幅広く展開していましたが、創業時の赤城乳業は“乳業”とついているものの、乳業の仕事はありませんでした。そこで、同じ土俵で戦うのではなく、いくら丼アイスやラーメンアイスなど、話題を作る、ワクワクする商品を発売してきました。そして大切にしてきた“あそび心”を、お客様目線でわかりやすく、楽しく伝えるため、2006年にスローガンを『あそびましょ。』に設定しました」