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安すぎるマッサージには要注意「後遺症が残るケースも」整形外科医に聞いた

暮らし

 手軽にリフレッシュできるマッサージやもみほぐし。近年は1時間3000円程度まで価格も下がり、仕事帰りに立ち寄る人も多いはず。今回はマッサージや揉みほぐしに関するさまざまな疑問について、整形外科医の川上洋平氏に聞いた。

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駅ナカのテナントでもよく見かける ※本文と写真は無関係です ©Walter Eric Sy/dreamstime

国家資格が必要なのは?

 まず、整体や整骨などの違いについて聞くと、かなり複雑。川上氏によると、国家資格の有無によって、大きく以下のように分けられ、価格も変わってくる。

【整骨】
 国家資格「柔道整復師」によるもの。骨折、脱臼、打撲、捻挫、挫傷(突発的な痛み)などの治療。脱臼や捻挫などの症状が現れた直後の時期(急性期)には、健康保険が適用される

【マッサージ】
 国家資格「あん摩マッサージ指圧師」によるもの。手のひらや指を使い、摩擦、または圧を加える。国家資格がない場合は、本来は「マッサージ」、「指圧」などの言葉を使ってはいけない。「ほぐし」「リラクゼーション」などマッサージを連想させる言葉が世の中に流通しているのは、このためだ。健康保険は適用されない。

【整体、もみほぐし、カイロプラクティック、リフレクソロジー】
 国家資格なし。整体やもみほぐしは、全身を使って身体を揉みほぐすもので、意味合いは幅広い。カイロプラクティックは、米国で生まれ、西洋医学の考え方に基づき、身体を揉みほぐす。健康保険は適用されない。法的には、これらは“マッサージではない”ということになる。
 仮に、これらの店舗で施術中に「これってマッサージですか?」と聞くと、マジメなスタッフさんなら「いや、正確には違うんです」と答えるはずだ。

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 というわけで、実にややこしい。法的な意味での「マッサージ」と、日常用語としての「マッサージ」を分けるため、有資格者によるマッサージは「専門マッサージ」、「プロマッサージ」などと言い換える必要があるのではないか

強めの施術の是非は?

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 肩や背骨まわりをグリグリと押し込むような強めの施術を好む人は多いはずだが、強すぎるのは身体に良くないとも聞く。本当にそうなのか。

「力が強いほうが満足感が得られやすいようではありますが、満足感が得られることと、実際に効果があるかどうかは、別です。強すぎる施術を受けると、翌日にもみ返しが生じて筋肉痛やだるさを感じることがあります」(川上氏、以下同)

 ちなみに、もみ返しの原因には諸説あるという。

「『強い施術で筋繊維が傷ついたために起こる』『症状が重く、体の深部にまだこりが残っているから起こる』などの原因が考えられますが、もみ返しが心配な場合は、事前に『もみ返しが起きないように弱めにお願いします』と伝えておくと良いでしょう」

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