バーでの「ハイボールのオーダー」がダサくならないコツ<20代ビジネスマンのためのバー入門>
――スコッチやバーボンもウイスキーだったんですか! そこからすでに知りませんでした……。では、一般的なハイボールに使われるウイスキーはどれに当たるのでしょう?
細田:居酒屋さんなどでよく使われるのは、ブレンデッドウイスキーです。ブレンドされているので飲みやすい半面、産地の特徴は少し判りづらくなっています。国産でいえば、サントリーの「角瓶」「響」「ローヤル」などが有名ですね。一方、モルトウイスキー、特にひとつの蒸留所で瓶詰めされた「シングルモルト」は、産地の個性が色濃く出ることで知られています。「山崎」「白州」がこれに当たります。
バーで違う銘柄に挑戦するときは、「いつも○○○を飲んでいるんですけど、それと似たものを」とか「○○○よりもう少しスモーキーなものを」などと注文するのがいいと思います。銘柄を知らなくても、そう頼むだけでバーに慣れている感じがしますし。
あとはバーテンダーのチョイスにおまかせください(笑)。何種類か飲み比べてみると、それぞれの銘柄の立ち位置が見えてきますよ。
飲み比べでのときに困ったら……?
――通の人はシングルモルトを飲んでいるイメージですけど、クセが強いとも聞きますよね? もし好みじゃないものが来たらどうすればいいのでしょう?
細田:もしお口に合わないものが来てしまったら、「すみません。ちょっと好みに合わないです……」と言ってもらえれば、飲み終えなくても代えることはできます。ただ、たびたびだとお店の方もさすがに困ってしまうと思いますが。
私は初めての銘柄を試される方には、選ぶときに実際にボトルのキャップを嗅いでもらったり、一口飲んだ様子を見て気に入っていない様子なら「お口に合いますか?」と聞いたりしています。特にスコッチの中でも、ラフロイグなどアイラ島のものは特にスモーキーでクセがあるので好みが分かれるところです。
――同じウイスキーでもそこまで差があるんですね。自分のお気に入りの1本を見つけるって楽しそう!
細田:うちでは、色んなウイスキーを試してみたいという方には、ハーフの量で提供させていただくこともあります。ロックのシングルでも何杯もとなると結構なアルコール度数になってしまいますから。
また、ウイスキーにハマった女性を「色々試させてあげたいから」とお連れになる男性もいます。もし気になる女性がウイスキー好きならバーで一緒に好きな銘柄を探してみるのもいいかもしれませんね。
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今回は、ウイスキーの奥深さに気付かされました。ぜひハイボールをオーダーするときの参考にしてみてくださいね! さて、最後となる次回は「女性ウケするカクテル」について伺います。
<取材・文/阿形美子 撮影/市村円香>
【細田侑由】
バーテンダー。石川県出身。銀座「BAR 保志 IRIS」店長。第9回マリーブリザール・カクテルコンペティション(2016年度)、第29回N.B.A.ジュニア・バーテンダー・カクテル・コンペティション(2017年度)、ロン サカパ カクテルコンペティション2018 ファイナルにてそれぞれグランプリを受賞した実力派バーテンダー
【BAR 保志 IRIS】
住所/東京都中央区銀座6-3-7 2F
営業/月~金 19:00~翌3:00、土・日・祝 18:00~翌1:00
定休日/月曜日
予約・お問い合わせ/03-6280-6466