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元コミュ障アナが語る、SNSで広がる「ラジオの可能性」<吉田尚記×鈴木祐>

ビジネス

音声SNSで広がるラジオの可能性

対談

鈴木:確かに聞いていられないですよね。でも、「YESマンラジオ」って打ち出したら、ウケるかも(笑)。

吉田:逆に1周回って面白いかも(笑)。ラジオでも世間体を気にするのをやめた、開き直った女優さんとかはむちゃくちゃ面白いですからね! 今、ツイッターが音声SNS「Spaces(スペース)」をテスト運用していますが、聞かれるのが当然なツイッターだと、健全なメディアの匂いがするので期待しています。

 今年は音声とネットの関係が完全に変わったなと思っています。ラジオ屋がやれることは、まだまだたくさんあるはずだと思っています。

――吉田さんがパーソナリティを務める「ミューコミプラス」が3月25日放送で終了します。視聴者の方に伝えたい思いはありますか。

吉田:2006年4月に始まった「ミューコミ」からだと15年もやらせてもらいましたからね。世間は驚いたようですが、いつかは終わるものなので、僕はそんなにびっくりしませんでした。それよりも平日の夜に好きなことができるぞって(笑)。15年間何にもできませんでしたから。

 新たに始まるものもあるんです。バーチャルMCの一翔剣(YouTubeチャンネル『一翔剣ちゃんねる』)という、声が全く同じな架空の部下がいるんですが(笑)、彼の番組が日曜日の夜にスタートします。その名も「ミューコミVR」。VRの可能性は莫大なので、ここによりどっぷりと浸かりたいと思っています。他にも音声で何かできないか模索しています。そのなかで、今一番気になっているのが、科学者なんですよ。

鈴木:へー、意外です。すごく面白そうだけど、何でですか?

吉田:まだ世の中に知られていない、ヤバいことを知っている人って科学者じゃないですか。でも彼らはしゃべるのが得意じゃないことがほとんど。推理小説で最初に「犯人はこの人です」って結論から言っちゃうみたいな人が多い。

 そこを、進行と音声のプロとして手伝えることがあるかなと。もともと草イベントなどでやっていたのですが、クローズドではない、もっとパブリックなところでやってみたいと思っています。その時は鈴木さんも出演してくださいよ!

鈴木:うれしいな! ぜひやりましょう。

<取材・文/中野龍 撮影/山田耕司>

【吉田尚記】
1975年、東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。ニッポン放送アナウンサー。ラジオ番組でのパーソナリティのほか、テレビ番組やイベントでの司会進行など幅広く活躍。2012年に第49回ギャラクシー賞DJパーソナリティ賞受賞。著書に『元コミュ障アナウンサーが考案した 会話がしんどい人のための話し方・聞き方の教科書』(アスコム)など。Twitterアカウント:@yoshidahisanori

【鈴木祐】
1976年生まれ。10万本の科学論文の読破と600人を超える海外の学者や専門医へのインタビューを重ねながら、現在はヘルスケアや生産性向上をテーマとした書籍や雑誌の執筆を手がける。著書は『最高の体調』『科学的な適職』(共にクロスメディア・パブリッシング)ほか。Twitterアカウント:@yuchrszk

1980年東京生まれ。毎日新聞「キャンパる」学生記者、化学工業日報記者などを経てフリーランス。通信社で俳優インタビューを担当するほか、ウェブメディア、週刊誌等に寄稿

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