元コンサルの福島プロバスケチーム運営者が見た「被災地10年目の現状」
福島や郡山市を育てていきたい
これからの目標について、西田氏は「次のシーズンからは“育ち育てる”がテーマ」だと、先を見据える。
「まずは会社が育つこと。そしてファイヤーボンズが育ち、目標であるB1に昇格する。そして育成分野ではユースチーム強化にも力を入れ、地元の子ども達を育てていく。我々の成長によって福島県、ホームタウンの郡山市というコミュニティ全体を育てていきたいです。
福島の復興のシンボルとして立ち上がったチームだからこそ、『支援してください』というメッセージが強かったと思いますが、これからは支援していただいている方々にメリットを恩返ししていかなければいけない。ファイヤーボンズが成長することでコミュニティが成長し、『ファイヤーボンズがあってよかった』と思っていただける存在になりたいと思っています」
実際、2020年は新型コロナウイルスの影響で、福島ファイヤーボンズのスポンサーは約40社も離れてしまった。しかし、それ以上に新規の申し込みも多いという。
「これまでも『チームを強くしたい、稼げるようにしたい』という思いはもちろんあったのだと思いますが、人材や資金面の都合もあり、事業としてスケールできていなかった。東京の企業である弊社(株式会社識学)が運営に入ったことで、昨年7月からオフィシャルプレミアムパートナーになっていただいているプレミアムウォーターさんのように手を上げてくれる企業が出てきた。これからも私たちの価値をしっかり伝えて、福島県内の企業にはもちろん、首都圏エリアにもファイヤーボンズ魅力を知ってもらいたいです」
チームを後方から支援する新たな“指導者”を得て、ますます飛躍が期待されるファイヤーボンズ。これからも震災復興の象徴として活躍に期待したい。
<取材・文/シルバー井荻>