ピン芸人が「港区家賃3万7千円」に住んだら大バズりの訳
岡田康太のギャグづくりのテーマ
「岡田を追え!!」では、岡田さんの日常生活だけでなく、数々のギャグを見ることができる。撮影自体は台本なし、一発撮りということだが、ネタについてはどう考えているのだろうか。
「あらかじめ思いついたものをメモしています。よく中毒性があると言われますが、自分自身がしつこいギャグが好きすぎるんですよね。『まだ言ってるやん! もうええって!』というくらい何回も言ってるのに、本人ははじめてかのように言っている。そういうネタが好きなんですよ。」
確かに、複数の動画で似たようなネタが繰り返され、その反復がクセになる。たとえば料理などでレモンを使うとき、岡田さんはそのたびに「レモンの皮にはリモネンという成分が含まれていて……」などとウンチクを言う。動画のテロップではツッコミが入るが、本人は気にする素振りもなく、淡々とうんちくを言う。そのシュールな姿が癖になるのだ。
しかし、これらのギャグはあくまで自分の好みであり、決して登録者数を増やそうと考えだしたものではないと言う岡田さん。
「まさかここまで登録者数が増えるとは思わなかったですね。逆に、どんだけバズらさんとこうかみたいなことも思ってて。だから、登録者数が1万人を超えて以降は自分で何も企画はやらないようにしてたんです。そしたら先輩のAKIさん(元芸人のFXトレーダー)に自然にお祝いしてもらえるようになって、それが2万人、3万人……と恒例になりました」
YouTubeの流行はあえて追わない
最近のYouTubeでは動画の長時間化が進んでいる。長時間の動画はそれだけ広告を多く入れることができるため、収益が得やすい構造になっているためだ。しかし、「岡田を追え!!」ではこのようなトレンドをあえて意識せず、自分のスタイルを貫いている。
「僕たちの動画はほとんど4分くらいの動画になっているんです。佐野君とは最初に言ったことを変えないでおこうと話してます。ロケっぽくするとか、企画っぽくするとか、そういうのはやらない。単純に僕が面白いと思ったことをその場でやって、佐野君がテロップを入れるやり方を貫いています」
動画の質感は「作りこみすぎない」という彼らの考えによって作り出されている。本格的な撮影環境を用意するYouTuberが増える中、このような手作り感が人を惹きつけているのかもしれない。