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サプリメントは本当に効果がある?目的別・サプリの選び方を医学博士が教える

暮らし

最低6か月続けられる価格帯のサプリを

 では、医師の目から見て、おすすめ・非おすすめのサプリメントの企業はどこなのだろうか?

「基本的には毎日続けられる価格帯で選ぶことをおすすめします、非おすすめなサプリメントは高額サプリです。サプリの知識がある人で含有量などを納得できる人なら高額でも選べますが、サプリは薬品ではないので即効性はなく、長期間続けることで効果が現れますので、最低6か月以上は継続するために信頼できる会社を選びます。

 サプリメントの原料は大量仕入れほど単価が安価になるので、製造量が多い大手企業のものを選ぶことで比較的安価で購入できます。ただ、大手でも1粒(1包)あたりの有効含有量が少ないものもあるので必ず成分値を確認してください」

 一方で、サプリメントを固めるために化学物質等(自然ではないもの)を入れている企業もあるが、毎日飲んでいて体に害はないか?

「サプリメントの製造段階では必ず賦形剤と呼ばれる、固めたり、流動性を良くしたりする成分が含まれます。しかし、これは食品添加物で安全性が認められたものなのでそれほど気にする必要はありません。例えば『自然/ナチュラルサプリ』の表示があっても、赤い色素に使われる原料は『ラックカイガラムシ』という昆虫の分泌物だったりします。もちろん安全な成分ですが、イメージの問題で嫌う人もいます。

 このように詳しく調べると、単独では摂りたくない成分もありますが、サプリメントに含有することで腐敗を防いだり、艶を良くしたり、湿気を防いだり、味や色を良くしたりと添加物にはさまざまなメリットもあります」

使い分けて摂取したい「マルチビタミン」

サプリメント

 最後に、「マルチビタミン」というサプリメントがあるが、曖昧な表現でどう扱っていいのかわからない――。ビタミンC、ビタミンBなど個別のサプリメントを飲むのと、マルチビタミンをどう使い分けたらいいか?を聞いた。

「ビタミンの有効性には配分が重要で単独で複数のビタミンを選ぶと摂取バランスが悪くなることもあります、そのために3種以上のビタミンを組み合わすならマルチビタミンのほうが安心です。ただし、マルチビタミンは含有する種類が多いので、たとえば5種類を均等にすると仮定しても、各20%で、5種で100%となります。ですので、1種類ずつの含有量は少なくなるので、特にビタミンCが必要なら、マルチビタミン+ビタミンCを別途1錠といった摂り方をすすめます。また、特に摂りたい成分があれば、対象サプリ+マルチビタミンもおすすめします」

 あくまで普段の食生活が大事とのことだが、サプリメントにはさまざまなメリットがあることもわかった。選び方や、摂取のポイントを理解したうえで、サプリメントを日常生活にプラスしてみてはどうだろうか。

<取材・文/シルバー井荻>

【永田 孝行】
医学博士・健康科学博士。1958年名古屋市生まれ。ACSM(アメリカスポーツ医学会)公認EP-C。健康保険組合や企業を通して社員の健康・保健指導や生活習慣病予防と改善対策における食品の研究開発などを行う。著書に『低インシュリンダイエット』(新星出版社・宝島社など)、『Diet Basic Book』(評言社)など多数

平成生まれの編集者・ライターです。赤羽と阿佐ヶ谷に出没します。ビジネスサイトの編集長もやってました。

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