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サプリメントは本当に効果がある?目的別・サプリの選び方を医学博士が教える

暮らし

 不足しがちな栄養を補うために摂取するサプリメント。最近では男性でも、美容やダイエットのために購入する人も少なくありません。しかし、その一方で、ネットで若返りや美容をうたった商品のなかには、効果に乏しく、不当に高額なものを売りつけられることもあるようです。

サプリメント

※イメージです(以下同じ)

 厚生労働省が2020年7月17日に公表した「2019年 国民生活基礎調査」の結果概況では、保健機能食品、特定保健用食品などを含む「サプリメントのような健康食品」を、2~3割が利用していることが明らかになった。その割合は、男性が21.7%、女性28.3%(入院治療を受けている人を除く。以下の項目はすべて同様)。年齢階級別では、男性は60~69歳が28.1%で最多、女性は50~59歳が37.6%で最多だった。

 若いビジネスマンにはまだ他人事かもしれないが、将来的に知っておいて損はない「サプリメントの選び方」。そもそも本当に効果があるのか?といった素朴な疑問について、健康や肥満に詳しい、一般社団法人日本ダイエットスペシャリスト協会理事長の永田孝行氏(医学博士)に聞いた。

サプリメントは本当に効果がある?

 まず、気になるのは「サプリメントは、本当に効果があるのか?」ということだ。この疑問に対して、永田氏は「日常的な体調によって効果の実感度合いは異なる」と語る。

「日々の食事で栄養素不足の予防のために摂っている場合には効果の実感はありませんが、食欲不振や偏食が長引いた時の身体の不調(だるさ・体力低下・胃腸不良など)がある場合は効果が実感できます。

 つまり、毎日の食事が充実していれば一般的な生活(スポーツ栄養は別)ではサプリメントは必要ありませんが、1日単位の栄養が満たされるように食事を摂り続けることは難しいので、普段から予防策を兼ねてのサプリメント摂取をおすすめします」

 サプリメントにも一定の効果があることがわかった。しかし、ドラッグストアやコンビニには膨大な種類のサプリメントが売られている。どんなものを選んだらいいのか?

「不足している栄養素や目的に応じた栄養素を適確に摂りたいところですが、一般的にはなかなか選別できないので、おおむねの目処として、ダイエットにはビタミンB群。そして美容にはビタミンC、ビタミンP。健康にはビタミンE、DHA・EPA、クエン酸がよいでしょう。また、デスクワークが多いならビタミンD、精神不安定には鉄・亜鉛、その他を中心に選んでください」

サプリメントで補えると便利な栄養素

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 つまり目的によって必要なサプリメントは異なるようだ。一方で、栄養素のなかには普段の食生活では摂取しづらいものも存在する。サプリメントで補ったほうがいい栄養素として、永田氏は「日常の食生活で不足しがちなもの」と語る。

食生活で不足しがちな栄養素としては、ビタミンB群、ビタミンC、オメガ3系脂肪酸(DHA、EPAなど)を中心に摂取してください。ネットで調べるとあれもこれもと摂取量が増えてしまうので、1日で摂る種類は3種程度に抑えます。いずれにしても摂り過ぎは吸収率も低下しやすく、かえって逆効果になることもあるので注意が必要です」

 また、野菜が苦手で、代りにサプリメントを飲んでいる人もいる。代替品としてサプリメントを飲むのも有効な気がするが、永田氏はピシャリとこう否定的に述べる。

「イメージとしては簡単で便利に思いますが、ビタミン類はあくまでも“栄養補助食品”なので食品の代わりにはなりません。野菜には繊維質や酵素も含まれるのである程度は野菜を摂ってから少し栄養を補給する目的としてサプリメントを補うなら有効です」

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