コロナとインフルの症状・予防法は一緒なのか?内科医に聞いた
インフルエンザ予防でも「3密」は避けるべき
2020年の「ユーキャン新語・流行語大賞」の年間大賞にもなった「3密」。新型コロナは言わずもがなですが、インフルエンザにとっても感染しやすい環境なのかも沖医師に聞いてみると……。
「ご存じかもしれませんが、改めて説明しますと、会話、咳、くしゃみをすると、口から細かい水滴(しぶき)が飛び散ります。この細かい水滴を飛沫といいます。飛沫の中に病気の原因となる細菌やウイルスなどの病原体が含まれていた場合、感受性のある人の気道の粘膜や、目の粘膜などから侵入することによって感染するのが飛沫感染です。
飛沫は水分を含んでいるためそれなりの大きさ(5μm以上)と重さがあり、口から放出された後、1~2メートルほど飛んですぐに地面に落ちてしまいます。がその程度の至近距離でも飛沫を浴びることで感染してしまうのです。
インフルエンザも新型コロナと同じく“飛沫感染”です。そのため一定の距離を保つことはインフルエンザの感染予防にも有効だと思われます」
加湿すれば対策になるのか
乾燥していると感染しやすく、加湿すると予防になるとも聞きますが、真偽のほどは?
「咽喉から肺に至る気道の内壁を“繊毛”と呼ばれる毛のような細胞が覆っています。その繊毛が細菌、カビ、ウイルスなどを外に排出させていますが、気温の低下、さらには乾燥により繊毛活動が低下してしまいます。そのため、体内に異物が運び込まれてしまうので、乾燥はよくないと言われていて、新型コロナもウイルスなので乾燥はよくないと推察されます」
例年以上に危険な2020年の冬。必要以外の外出は避け、正しい予防を行い、自分はもちろん周囲の身も守りましょう。
<取材・文/日和下駄 取材協力/オルタスジャパン>
【沖 一匡】
総合診療医。東京都生まれ。2007年に琉球大学医学部卒業。2014年には北部ウガンダ医療支援事業に参加。現在はやちよ総合クリニックに勤務