“Youtuber養成校”に希望者が殺到、バンタン会長が語る55年の軌跡
2021年4月に開校予定の動画配信クリエーターを育成する「バンタンクリエイターアカデミー」に、YouTuber(ユーチューバー)やマネージャー、動画クリエイターなどを目指す入学希望者が殺到しているという。
運営する株式会社バンタンは、1965年にファッションデザイナーなどを養成する「バンタンデザイン研究所」を創立以来、ゲームクリエーター、パティシエなどクリエイティブ分野に特化した専門教育機関を展開してきた。
2020年で創業55周年を迎えるが、意外にも学校法人ではなく、「世界で一番、社会に近いスクール」を掲げる企業法人だ。なぜ学校法人化しないのか、何を見据えているのか。「学校法人ではなく、企業だからできることがある」と訴える同社の石川広己会長に、“バンタンが目指すもの”を聞いた。
寺子屋のようなガレージから始まった
“ユーチューバー養成スクール”とも言えるバンタンクリエイターアカデミーが来年開校する。バンタンの手掛けるスクールはユニークなものばかりだが、創業当初から時代を先駆けていたようだ。
「当社は、創業者の菊池織部がデザイン事務所を経営する傍ら、1965年に『バンタンデザイン研究所』を創立したのがスタートです。東京・恵比寿のガレージで寺子屋のような形でデザインを教えるものでしたが、当時の日本では『デザイン』という言葉は浸透しておらず、世間のほとんどの人は『デザイナー』がどんな職業なのか分からない時代でした。
しかし、海外ではクリエイティブが重視され、すでにたくさんのデザイナーが活躍していました。でも、日本は彼らが生み出したデザインを模倣していただけ。菊池はこのままだと日本は遅れてしまう、デザイナーを育成する実践的な学びの場が必要だと考えたことが出発点でした
世の中にない学びの場を次々に開校
「ユニークだと思われるスクールが多いのは、これまで世の中になかったスクールばかりだからだと思います。バンタンの創業以来変わらぬ精神は、現場に近い実践的な教育を提供し、新しい時代の中で求められている人材を輩出していくことです。
1998年に開校したレコールバンタン(当時はバンタン製菓学院)もその一つです。当時は料理や製パン学校はありましたが、パティシエという職業に特化してお菓子を専門に学ぶ場はありませんでした。
来年開校するバンタンクリエイターアカデミーも、YouTubeやSNSなどソーシャルメディアで活躍するインフルエンサーの市場が拡大する中で、動画配信クリエーターやそれを取り巻く撮影・映像編集者などになるために専門的に学びたいニーズが高まっているのを受けて、開校を決めました」