11月11日を「磁気の日」に…「エレキバン」ピップの創業の原点
縁あって「比布町応援大使」に
松浦社長には「北海道比布町(ぴっぷちょう)応援大使」という肩書もあるが、どのような経緯があったのか。
「昭和55年(1980年)に、当社と同じ名前ということで比布町でCMを撮影したんですよ。その結果、当時の比布町の人口は1万人弱だったのに、夏休みの時期だけで観光客が2万人くらい押しかけたんですね。そんなご縁があって『比布町応援団長』になって、2018年には『応援大使』に昇格しました(笑)。昨年は比布町と当社の結婚式もやったんですよ。町長さんと一緒に緑のジャケットを着て、緑のバージンロードを歩きました」
会社のためなら表に出ることをいとわない松浦社長。自身を「人見知り」と称するが、果たして本当なのだろうか。
「出たがり屋ではありますが、人見知りなんですよ(笑)。人と話すのが苦手なので、経営者セミナーの懇親会などでは、端の方で黙々とご飯を食べているだけですし。会社では頑張って社内を巡回していますけどね。やっぱり社長と社員の距離が近くて、何でも話ができるほうがいいんじゃないかと思っているので。
座右の銘は『一期一会』。話をするからには相手に楽しんでもらいたいし、笑ってもらいたい。だから僕のトークの自己評価基準は、相手が笑ってくれたかどうか。でも、今はコロナでみんなマスクをしているので、笑ってもらえたか分からないんですよね。そこが悩みどころです(笑)。お客様だけでなく、社員にも満足してもらえる会社でありたいと思っています」
企業としてPRする意識があまりなかった
言葉の節々からサービス精神旺盛な社風がにじみ出ているように思える。いつでもCMに出れる準備はしているそうだ。
「ありがたいことにCMのおかげで『ピップエレキバン』などの商品は世の中に知られています。それで満足していたわけではないのですが、実はこれまで企業としてのPRをしようという意識があまりなかったんです。
そこで消費者起点のマーケティングカンパニーを目指し、2018年にフジモトHDにCMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)というポジションを設け、大手旅行代理店や化粧品会社でマーケティングを担当し、明治大学と早稲田大学で講師も務める久保田達之助が就任しました。
ピップの商品開発本部長も兼任しており、彼を中心にこれまでにない小ロットでの商品開発や、他社や学生さんとのコラボレーションなど新たな取り組みを進めています」