2号車は車椅子対応座席も

　2号車の客室は2種類を用意した。いずれもパーテーションの高さを抑えることで、明るく、開放的な空間としている。定員は4室合計20人、使用樹種はペアウッド。

2号車の6人用個室

　1つ目はJR九州初の6人用個室で、4人から利用できる。3室あり、座席はすべてソファー。テーブルは折り畳み式を用いている。

車椅子の方でも利用できるよう、配慮されている

　2つ目は車椅子対応座席で、車椅子の方、介護者が利用できる。座席は革張りのリクライニングシートで、側窓に向けることで車窓を眺めやすくしている。なお、車椅子利用客がない場合は共用スペースとなる。

トイレに洗面所を併設するのがJR九州流

　デッキには多目的スペース、多目的トイレ（車椅子に対応するほか、ベビーベッドも備える）、男性用トイレを配している。トイレはすべて洋式、温水洗浄便座完備で、使いやすい。面白いのはトイレのドア。男性用は「男」、女性用は「女」、多目的トイレは「女男車イス」と大きい文字で表記され、豪快に映る。

3号車の注目はビュッフェリターンズ

水戸岡氏の強い情熱が詰まった787系新製時のビュッフェ（提供：九州旅客鉄道）

ビュッフェでクルーと談笑したひとときは、乗客にとっても思い出の1ページに刻まれたことだろう（提供：九州旅客鉄道）

　3号車の車両は波瀾万丈で、当初は4人用セミコンパートメントとビュッフェの合造車だった。しかし、九州新幹線新八代―鹿児島中央間の開業を前に、ビュッフェを撤去し、座席車に変えることで輸送力増強を図るため、2002年から編成全体のリニューアルを兼ねた改造を実施（ビュッフェつき車両のみ対象）。ビュッフェは2003年2月7日に営業を終えた。

『36ぷらす3』は“「ゆとり」と「くつろぎ」を最大のウリ”とする車両なので、17年ぶりにビュッフェを復活させることになった。

オンリーワンの787系ビュッフェリターンズ

“令和のビュッフェ”は、カウンター天板、窓枠にホワイトシカモア、床、壁、カウンター腰に、新型コロナウィルスに強い銅板を用いることで、モダンで、落ち着いた空間に仕上がった。カウンター付近にリーチイン冷蔵庫を設け、九州の飲食類を陳列する。

ランチプラン、ディナープランのいずれかに申し込むと、豪華な食事が提供される（提供：九州旅客鉄道）

　また、カウンターの隣に業務スペースを設け、車内での昼食の提供準備に活用するという。

セミコンパートメントは、個室（コンパートメント）に昇華

　一方、4人用セミコンパートメントは、その面影を残すかたちで2人用個室にリニューアル。背もたれを極力高くしたソファーで、着座幅も広い。1人での利用も可能である。定員は6室合計12人。使用樹種はベイマツ、ペアウッド、ブラックウォールナット。